メジャー10年目は今後の野球人生を占う大きな1年に タイガース・前田健太が目指す大台【2025復活にかける男】
日本人メジャーリーガーで25年に「復活をかける男」は、タイガース・前田健太投手(36)だ。これまで広島で97勝、メジャーで68勝の通算165勝。こだわりを見せる日米通算200勝まで残り「35」と迫っている。 近年は苦しい状況が続いている前田。16年にドジャース入りすると、1年目にいきなり16勝を挙げた。19年までの4年間で3度の2ケタ勝利。新型コロナウイルスの影響で60試合の短縮シーズンとなった20年もツインズに移籍し、11登板で6勝1敗、防御率2・70でサイ・ヤング賞投票で2位に入る活躍を見せた。 だが、21年は6勝に終わると、右肘のトミー・ジョン手術を受けて22年は登板なし。復帰した23年は6勝止まりで、タイガースに移籍した昨季は3勝7敗でシーズン途中からは救援への配置転換も味わった。今季は2年契約の2年目。今季がメジャー10年目で、将来的な日本球界復帰も視野に入れる右腕にとって、今後の野球人生においても大きな1年になることは間違いない。 先発完投が当たり前だったかつてとは異なり、近年の野球では投手の分業制が進み、先発投手の勝利数に対する価値は下がっている一面もあり、200勝は以前よりも難しい数字となっている。だからこそ前田は「難しくなっている時代だからこそ、達成したいという思いは強い」。目標にしてきたダルビッシュ有が昨季達成し、同学年の田中将大もあと3勝に迫る大台を、必死に目指している。 大谷ですらメジャー7年目にして初めて出場したポストシーズンだが、前田はすでに27試合に登板。リハビリのため全休した22年を除くと、所属したチームがポストシーズンに進出できなかったのは21年のツインズ1年だけと、経験は十分だ。 多くの経験を積み、今年4月11日には37歳の誕生日を迎えるベテラン右腕。同学年の坂本、田中将(巨人)、柳田(ソフトバンク)、秋山、会沢(広島)、沢村(ロッテ)、大野(中日)、宮崎(DeNA)らはNPBで必死にもがいて活躍を見せている。「ハンカチ世代」、「マー君世代」と言われた黄金世代を引っ張るマエケンが、異国の地で勝負のシーズンを迎える。
報知新聞社