定年後、年収がこれまでの半分の「250万円」になりました。生活が厳しいのですが、これほど減るのは普通ですか? 救済措置のような制度はないのでしょうか…?
かつては定年まで働いた後はゆっくりと年金生活という考えの人も多くいました。しかし、現在は多くの人が定年後も継続して就業しています。定年後に働くとそれまでと比べて給与が下がる人も多く、例えば59歳までは年収が500万円ほどで生活できていたものの、60歳以降は年収が半分になってしまうという場合も決して少なくありません。 本記事では、実際のところ定年後にどれくらい給与が減っているのかや、そういった人たちへの救済措置について解説しています。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
同じ会社で定年後に働く場合、大半の人の給与が減っている
リクルートが2023年の3月にインターネットにて55~74歳の男女に対しておこなった、「シニア層の就業実態・意識調査 2023(個人編)」では、定年前後で同じ会社で働いた場合の給与などについて調査をしています。 本調査にて、定年前後で同じ会社で働いた人の定年前の給与を100とした時における、定年後の給与の割合は次のとおりです。 ●25%未満:5.0% ●25~50%未満:21.4% ●50~75%未満:43.3% ●75~100%未満:16.3% ●100%以上:14.1% このように、同じ会社で働いた場合、以前と同じかそれ以上の給与だという人は14%ほどしかいません。そして、3割近くの人が以前の50%未満であると回答しています。
社会全体で見ても、定年前後で給与は減る傾向
前記のリクルートの調査はあくまでも「同じ会社」での再雇用ですが、実際には別の会社で働く人もいるでしょう。国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」では給与所得者の年齢階層別の平均年収を公開しています。 同調査によると、給与所得者の平均年収は458万円です。そして、多くの会社で定年を迎える60歳前までの年代である55~59歳までは、年齢が上がるにつれて全体の平均年収は増加しています。 具体的には、55~59歳の平均年収はどの年齢層よりも高い546万円です。しかし、その後年齢を重ねるにつれ、60~64歳では441万円、65~69歳では342万円、70歳以上では298万円と平均年収は下がっていきます。 もちろん、中には定年後にも年収が増えた人もいるかもしれません。しかし、基本的には定年後に年を重ねるにつれ、年収は下がっていく傾向にあるといえるでしょう。