中学受験の難化で高い壁も。共働き家庭が、泥沼の受験にしないために知っておきたいこと
◆なんのために受験をするのか、どういう受験にしていくのか
まず話し合ってほしいのは、「なんのために受験をするのか」という目的です。 親として「うちの子にはこんな中学生活を送ってほしいから中学受験を考えよう」、あるいは子どもが「自分は中学校でこんなことをしたいから受験をする」という現段階でのビジョンを考え、それを家族で共有することが大事です。 次に話し合ってほしいのは、「どういう受験にしていくのか」というスタンスです。 例えば、覚悟を持って進学塾に入れて、4科目で最後まで走り抜け、志望校合格を目指す。塾には通うが、ライフバランスに軸を置いて、無理はせず、それで合格できるわが子に合った学校に行ければいいとする。習い事と併用しながら、公立中高一貫校との併願や2科目受験、新タイプ入試を活用した中学受験をする……などなど。 家庭ごとに、子育てで大事にしていることも、家族の中で重要なものも異なります。目的を見据えたうえで、子どもの状況や家族のルールを大事にしながら、どのように受験に取り組んでいくかの基準を作っていきましょう。
◆仕事と子どもの受験を両立するために大事な「塾選び」
目的とスタンスによって、塾選びも変わってくるでしょう。塾によって家庭学習に関する考え方もシステムもまったく異なります。どんな塾に入るかで、生活がかなり変わります。ご家庭のライフスタイルやお子さんのタイプと、塾のシステムや考え方が合っているかを見極めて選ぶことが大切です。 これは私見ですが、家で学習サポートができないというご家庭は、大手塾ではなく、熟練講師がいて、個別サポートが充実している中規模の中学受験専門塾を選んだ方がいいのではと思っています。 仕事との両立のためには、塾選びも重要です。
◆共働きでも最高の結果を出せたわけ
ここからは、実際に仕事を持ちながら中学受験を経験した家庭の例を紹介しましょう。
▼ガチ受験をした事例
1人目は、ガチ受験をした事例。 子どもが麻布中学校に合格したAさんは、学童代わりに大手進学塾に1年生から通わせていました。4年生からは、中学受験の進学コースに在籍。山盛りのプリント教材で有名な塾です。教材整理や演習にコピーを取ることが多く、時短のために家に業務用のコピー機を買い、いつでも大量にコピーが取れる環境にしたそうです。 また、親が学習に関わりすぎると時間もなくなるうえに、こちらも精神的にキツくなるので、5年生の後半から個別指導塾を併用。あまり効果がなかったので、6年生の1年間、家庭教師に切り替えて受験をしました。 麻布中学校は本人の熱烈な希望だったため、成績はギリギリだったけれどチャレンジしたそうです。結果は、併願校は不合格だったけれど、本命は合格しました。進学塾の過酷な受験の中で、できるだけ家庭を健全に保つために、お金を有効活用した事例です。