甲子園でも「終盤の明豊」 サヨナラ呼んだ黒木の積極性 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第3日の22日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、3年連続5回目出場の明豊(大分)が延長戦の末、21世紀枠で初出場の東播磨(兵庫)に10―9でサヨナラ勝ちした。 【東播磨vs明豊】熱戦を写真特集で 序盤から激しく点を取り合い、今大会初めて外野の照明に灯がともった。3時間を超える激戦にも、明豊の選手たちは落ち着いていた。常に緊張感のある場面を想定し、「練習から一つ一つのプレーでプレッシャーを感じるようにやっている」。一球の大切さを胸に刻んできた黒木の積極性が、勝利への鍵になった。 九回に東播磨に追いつかれ、迎えた延長十一回。先頭打者として四球で出塁し、続く米田の4球目に仕掛けた。「ここで行くべきだ」と自らの判断で盗塁を狙ってスタート。甘い球を逃さなかった米田が左翼線へ運ぶと、黒木は一気に三塁を陥れた。無死満塁から相手の暴投に反応し、ヘッドスライディングで本塁へ滑り込んだ。 同点とされた直後の六回にも勝負強さを発揮した。連続四球などで得た1死満塁の好機に左打席へ。相手投手が制球に苦しんでいただけに、じっくりと球を見極める選択肢もあったが、「ストライクを取りにくると思って狙っていた」。川崎監督の「思い切って引っ張ってよい」とのアドバイスも効き、初球のスライダーを迷いなく振り切り、右中間を破る走者一掃の三塁打を放った。 チームは昨秋の九州大会で、2試合連続で終盤に逆転劇を演じた。「常に後半勝負はイメージしておこう」と言い続けてきた川崎監督の期待に応えるように、大舞台でも「終盤の明豊」は健在。主将の幸は「最初からこういう展開は予想していた。後半勝負を目標に勝ちにこだわりたい」。自信はさらに深まった。【田中将隆】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。