「体力が落ちてきたから」「不調を改善したいから」慌てて筋トレ。しかし…専門家「いきなり表面の筋肉を鍛えるのは逆効果かも」
厚生労働省によると、柔整師が手がける施術所(整骨院)は2018年末時点で約5万になり、10年間で約1.4倍に増えたそう。現代社会で、それだけ体の悩みを抱える人が多いことの表れと思われますが、「疲れにくい体づくり」の専門家でパーソナルトレーナー・坂村純子さんによれば「従来の筋トレやストレッチは逆効果になることも。それより体の構造を正しく知って力みを取ることが大事」だそう。坂村さんの新刊『オトナ女子の「やっかいな疲れ」がとれる大全』より実践的な対策を紹介します。 【図】<逆効果>になる鍛え方とは… * * * * * * * ◆疲れやすくなっているのは年齢だけのせいではなかった 若い頃と比べると疲れやすくなった。 もしくは、寝ても疲れがとれない。 こう感じていたとしても、「年齢を重ねれば仕方がないこと」と、あきらめてはいませんか? でもそれは、本当に年齢のせいなのでしょうか。 そもそも「疲れる」とはどういうことなのでしょうか? 「疲れ」には肉体疲労や精神疲労、神経疲労があります。 肉体的疲労は年齢を重ねることで起こりやすくなります。 それはどうしても筋肉量が減少してくるからです。 筋肉量が減ってくると、それに伴って筋力も低下する。 そのうえで、歩いたり動いたりで体のバランスを保つだけでも、多くのエネルギーが必要になるため疲れやすくなるのです。
◆女性ホルモンの減少や乱れの影響も、肉体的疲労の原因に また、女性であれば、40代以降は女性ホルモンの減少や乱れの影響も、肉体的疲労の原因として考えられます。 でも最近では、長時間のデスクワークによる、目の眼精疲労や、光の刺激によるストレスからの精神的、神経的な疲労が危惧されています。 パソコン画面やスマホなど近距離を見続けると、自律神経のバランスが崩れやすくなり、交感神経が活発に働きやすくなります。 交感神経が活発になるということは、体が緊張状態になるということ。 そうなると、呼吸は浅く短くなり筋肉も収縮します。 まさに「常に戦闘モード」です。 これでは疲れないはずがないですよね......。 肉体的な疲労は筋力の衰えからもくるので、年齢によるものが大きいですが、精神・神経的な疲労は年齢に関係なく起こります。 だとしたら、自然光以外の光を浴び続けることになる現代を健康で生きていくためにも、疲れを年齢の言い訳にせず、疲れにくくなる体になるための努力が必要になってきます。