6日間で6件の死亡事故「異常事態」 静岡県全域「多発警報」発令、2024年2回目
静岡県内でこの1週間に6件の交通死亡事故が続発している異常事態を受け、県交通安全対策協議会(会長・鈴木康友知事)は31日、「交通死亡事故多発警報」を県全域に発令した。11月に続き2カ月連続、2024年2回目の発令になった。年末年始の帰省で車の運転を伴う移動が活発化する中、県や市町、県警など関係機関が県民に注意を喚起し、指導取り締まりを強化する。 25年1月9日までの10日間を期間とし、ラジオ、SNS、道路情報板による広報をはじめ、可能な限りの警察官を動員して各地で駐留警戒や取り締まりを展開する。ドライバーには、特に右からの横断歩行者に気をつけた運転と夕暮れ時の早めのライト点灯を求め、歩行者には横断時の左右確認の徹底と自発光式反射材の着用などを促す。 県くらし交通安全課の職員ら6人は発令直後、静岡中央署前の信号交差点でのぼり旗を掲げ、ドライバーや通行人に注意を促した。 県内では12月25~30日の6日間で6件の死亡事故が起き、発令基準に達した。発生場所は焼津市、浜松市浜名、中央両区、磐田市、静岡市清水区と広域で、歩行者が複数人亡くなっているほか、原付バイク(ミニバイク)を含めた二輪車の事故も目立つ。 前回の発令は11月7~16日で、発令期間中の死者は1人だった。今年の交通事故の死者数は31日午後2時時点で88人。前年比18人増になっている。 鈴木知事は「2カ月連続の発令で、極めて憂慮すべき状況。県民一人一人が、自発的に交通事故の防止に取り組んで」との談話を発信し、協力を呼びかけた。
静岡新聞社