「本当はあの時こうしたかった」と後悔しない「やりたいこと100リスト」の書き方を解説
◆目的地を言語化することでたどり着ける 人は、言葉にできないことは意識することができず、行動に移せません。ぼんやりと流れていってしまいます。 「どんな人生を送りたいのか」「どんな時間を過ごしたいのか」を言葉にすることは、人生の目的を決めることにつながります。 カーナビに目的地を入れたら、たとえ道を間違えても、遠回りしても、時間をかければいつかはゴールに到達します。 ところが、目的地が決まっていないと迷走しますし、そもそも発進できないこともあります。 しかし、「人生の目的、どこへ向かいたいかなんて聞かれても……」と、はっきり答えられない人もいます。 環境がどんどん変化しているので、未来の展望を描けない人がいるのも当然です。 その場合は、目的地を入れることができなくても「西に行きたいのか、東に行きたいのか」「行きたいのは海側なのか、山側なのか」、それくらいの方向性は決めておく必要があります。 人生の時間は止まることなく進んでいくからです。 なんとなく毎日を過ごし、なんとなく困難を乗り越え、なんとなく楽しみながら、時間が経ってたどり着いた先は「山」だった。 「いやー、本当は海方面が良かったんだよね」では笑えません(いるよ、意外と)。 「本当はあのときにこうしたかった」と言いながら余生を過ごす人はたくさんいます。 時間は有限であり、かつ巻き戻すことができません。 だからこそ「目的地=どんな人生を過ごしたいのか」を、方向性だけでもいいから言葉にしておく必要があるのです。 つまり、人生の目的を決めるとは「自分が大事にしたいことを言語化する」、もっと言えば「言語化するための時間をつくる」のが最初の一歩です。
◆言語化するための具体的な方法 では、どうやって人生の目的を言語化していくのか? 「言語化」と聞くと難しそうですが、つまりは「どんな人生だったら満足か」を満たす項目を言葉にしてみるということです。 「やりたいこと100リスト」を書いたことはありますか? 手帳術の一環としてよく使われている手法です。 『人生の100のリスト』ロバート・ハリス著(講談社刊)が出版された2004年あたりから活用されているようです。 私は毎年、年末から翌年の年始にかけて新しい手帳を開き、「やりたいこと100リスト」を書いています。 これを書き始めてから、人生の目的の形が見え始めました。 最初は全然書けません。30個くらいで止まります。それでも毎年書くのです。 ・なんでもいいから書く……「ぼーっと過ごしたい」でもOK。 ・一気に書かない……急には思いつかないので、のんびり1カ月くらいかけて書く。 ・似たことを書いてもOK……運動したい、走りたいなど。 書き始めてから10年くらい経っていますが、年を追うごとに具体的に言語化できるようになりました。 ・初年度……「海に行きたい」 ・現在……「**島の**ビーチに8月に行きたい」(具体的になっていく!) この「やりたいこと100リスト」から人生の目的を具体化していく方法として、まずはリストの中でジャンルが似ているものに同じ色のマーカーを引いたり、丸をつけたりして色分けします。 そうすると、「あれ? 仕事系は全然ないけど、行き先系がたくさんあるな」「家族系が多くて、ほかの人間関係系があんまりないな」といった気づきがあります。 そのうえで、項目数が少ないジャンルで「ほかにもやりたいことはないかな」と考えてみたり、逆に項目数が多いジャンルで「もっと具体化できることはないかな」と考えてみたりします。 すると、頭の中の問いに答える形で、少しずつ言葉になって出てきます。