冬場に起こる辛い腰痛…「自律神経の乱れ」と「冷え」が原因? 薬剤師が解説
冬の腰痛対策におすすめの生活習慣は?
編集部: 腰痛を予防するために気を付けることはありますか? 村山さん: つらい腰痛を予防するためには、生活の中にある腰痛の原因を取り除くことが重要です。立ち仕事やデスクワークの多い方は、姿勢を改善して腰に負担のかからない立ち方・座り方を身につけましょう。同じ姿勢を長時間とらないように気を付け、30分に1度は腰を回したり体を伸ばしたりするなど、すきま時間に軽い体操やストレッチを取り入れることがおすすめです。適度な運動を習慣にして、腰痛になりにくい体を作りましょう。 編集部: そのほかに冬場におすすめの腰痛対策はありますか? 村山さん: 冬場は身体が冷えて硬くなりやすいので、40℃前後のぬるめのお湯に10分以上つかることがおすすめです。入浴によって血行が良くなって筋肉の緊張もほぐれるので、腰痛改善に効果的です。お気に入りの入浴剤などを使えば、よりリラックスできてストレス解消になり、入浴効果も高まります。腰痛の原因となる冷えを緩和するために、腰のあたりを腹巻きやカイロなどで温めるのもおすすめです。ただし、ぎっくり腰などの急性の腰痛は温めることで逆に痛みが増してしまう場合があるので注意してください。 編集部: 睡眠をとるときに気を付けることはありますか? 村山さん: 睡眠時の姿勢や寝具選びも重要です。やわらかすぎるベッドで寝ると腰が沈んで腰痛がひどくなることがあるため、適度な硬さで快適な寝相を保ちやすい寝具を選びましょう。仰向けで寝る場合は、ひざの下に折りたたんだ毛布やクッションなどを置いて寝ると、腰の痛みがやわらぎます。横向きに寝る場合は、足を曲げて少し背中を丸めて寝ると、腰の筋肉の緊張をやわらげて楽に寝ることができます。その際、両膝の間にクッションやバスタオル、枕などを挟んで寝るとより効果的です。腕の重さを支えながら姿勢を維持できる抱き枕もおすすめです。 編集部: 冬の腰痛対策におすすめの食材はありますか? 村山さん: 体を冷やす食べ物は避け、体を温める食べ物を摂るようにしましょう。鶏肉などの肉類や、イワシ、カツオなどの赤身魚・青魚、ショウガ、にんにく、カボチャ、カブ、長ネギ、ニラなどの野菜、納豆や味噌などの発酵食品などがおすすめです。一般的に冬が旬の食材は体を温めてくれるものが多く栄養価も高いので、旬の食材を選んでください。筋肉や神経の疲れを緩和するビタミンB1を多く含む食材(豚肉・ごま・大豆・玄米など)や、血行を促進するビタミンEを多く含む食材(卵・アーモンド・かぼちゃなど)、骨を強くするカルシウムを多く含む食材(小魚・乳製品など)も腰痛予防に効果的なので、積極的に取り入れましょう。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 村山さん: 姿勢を正し、腰痛予防のストレッチや適度な運動、身体を温める入浴・食事を心がけて、腰痛になりにくい身体を作りましょう。市販薬を使用しても痛みが長期間続くときや、しびれと痛みが同時に起こる場合は重い病気が隠れている可能性があるので、医療機関を受診して医師に相談してください。