冬場に起こる辛い腰痛…「自律神経の乱れ」と「冷え」が原因? 薬剤師が解説
椅子から立ち上がるときや寝起き、ふとした瞬間に感じる腰痛。特に寒い冬の季節になると腰痛を感じる人が増えるようです。それもそのはずで、腰痛と体の冷えが関係しているということはご存知ですか? 今回は冬場に腰痛が起こりやすくなる理由と、おすすめの薬や対策方法について、薬剤師の村山さんに解説していただきました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
冬場のつらい腰痛…「冷え」が関係している? その理由
編集部: 腰痛が起こる原因はなんですか? 村山さん: 腰痛が起こる原因はさまざまで、複数の要因が絡んでいる場合があります。約15%程度は原因を特定できる「特異的腰痛」で、代表的な病気として椎間板ヘルニアや骨粗しょう症などが挙げられます。これらは背骨の神経が圧迫されることによって痛みが起こり、ひどいときには、しびれや脚の筋力低下を伴うため、すぐに病院で診察を受けることが必要です。残りの約85%は、しびれやまひなどの神経症状や基礎疾患がなく、検査しても原因が特定しきれない「非特異的腰痛」です。非特異的腰痛は、中腰や猫背などの姿勢で腰や背中の筋肉が緊張し続けたときや、運動不足で腰を支える筋肉が弱っているときなどに起こります。気温が低くなる冬場も腰痛が起こりやすくなります。 編集部: 冬場に腰痛が起こりやすくなるのですね。 村山さん: はい。理由として、冬場は寒さで筋肉が緊張して硬くなるためです。肌で感じた寒さが脳へと伝わると、熱を逃がさないように脳が指令を出し、筋肉を縮ませて硬くします。背骨を支える筋肉が硬くなると骨盤や腰椎が歪みやすく、腰痛の原因になります。また、寒さで体が前かがみになり姿勢が悪くなることも腰痛の一因です。 編集部: 身体の「冷え」も腰痛に関係しているのでしょうか? 村山さん: 身体の「冷え」は自律神経の乱れや血行不良によって起こりますが、腰痛にも関係があります。寒くなると身体が硬くなるのと同様に血管も硬くなり、血流が悪くなります。血流が悪くなると、毛細血管まで血液が行き渡らなくなり、血管が収縮してさらなる冷えにつながります。寒さによって筋肉の血行が悪くなると、筋肉に疲労物質が蓄積して炎症を起こし、痛みを感じる原因になります。特に身体の軸となる腰は痛みが発症しやすいと言われています。