三井の森蓼科GCが地元大学のゴルフ部創設に全面協力。その取り組みとは?
地元の大学のゴルフ部創設に協力し、活動も全面的にサポートしているゴルフ場がある。
長野県茅野市にある三井の森蓼科GCがそれだ。同GCは同じ地域にある公立諏訪東京理科大学のゴルフ部の活動を後押ししている。同大学のゴルフ部員を対象として、練習場やコースの提供、用具の 貸し出しを無償で行うほか、かつてプロを目指したという支配人、幡野光次氏やティーチングプロによるレッスンも無料としている。 ゴルフ部は今年6月に誕生したばかり。同GCとのつながりは、地元企業経営者(野村ユニソングループ会長)であり同GC理事を務める野村稔氏が橋渡しをしたという。そもそも大学にゴルフ部創設の提案をしたのも野村氏。 そして大学内で希望者を募ったところ、軟式野球部に所属する7人が手を挙げた。その後、3人が加わり、いまでは10人になっている。複数の部活動を掛け持ちしている学生も多く、その点でもゴルフ部への入部のハードルは低かったようだ。 同GCでの活動は毎週月曜日の夕方、大学の授業が終了した後、コースへ集合。大学から同GCへは車で15分ほどという至近距離にある。指導に当たるのはPGAテーチィングプロB級の資格を持つ関信夫氏。部員たちは練習場へ行ったことがあるのは2人だけといい、ほとんどが未経験。 7月に開催された初回の練習場でのレッスンでは、グリップの握り方やスウィングの基本を教えるところからスタートしたが、年内にはラウンドデビューを目指すとしている。 同GCはその名が示すように三井不動産グループで、蓼科の別荘地開発と並行して1991年に開場した。八ヶ岳の麓、標高1200mに位置する27ホールの林間リゾートコース。森の景観に調和した瀟洒(しょうしゃ)なクラブハウスはリゾート気分を満喫させてくれよう。 そんなゴルフ場が地元大学のゴルフ部をサポートしている理由を、前述の幡野氏は次のように話す。 「ゴルファー人口が減少するなか、ゴルフ場としても若年層の囲い込みが不可欠だと考えています。大学生にとってゴルフ場は敷居が高いでしょうが、ゴルフ場のサポートがあれば、ゴルフの楽しさを知って、長きにわたりゴルフを続けてもらえることにもつながり、ゴルフ人口も増えていくと思います」。 部員のなかには同GCでのアルバイトを始めた人もいて、地域貢献にも一役買っているようだ。この取り組みは、全国のゴルフ場にも大いに参考になる事例だろう。 ※週刊ゴルフダイジェスト11月19日号「バックナイン」より