海外メディアはブラジルの引き分け発進とネイマール不発をバッシング!
4年前に母国開催の大会で味わった屈辱を晴らしたい優勝候補のブラジルがスイスとの初戦を1-1で引き分けた。南米の雄の苦しいスタートを海外メディアも厳しい論調で叩いた。 欧州をカバーするメディアのスカイスポーツは、「ブラジルのフィリペ・コウチーニョの素晴らしい一撃は、優勝候補にとって十分ではなかった」との見出し記事を掲載。 「スイスが固く守り、1-1の引き分けに持ち込んだことで、ブラジルはワールドカップの戦いをガタガタした形でスタートさせた」と厳しい論調で報道した。 「ブラジルのフェリペ・コウチーニョが前半20分に素晴らしい一撃でゴールを奪ったとき、彼らは、その初戦を完全に支配できているように見えた。だが、ブラジルの怪しい守備によって後半5分にスイスがコーナーキックからシュテフェン・ツーベルがゴール。ブラジルは、DFのミランダが押されたとしてビデオ判定を主張したが、ゴールはそのまま認められた。ブラジルは、試合終盤に攻勢に出てネイマール、ロベルト・フィルミーノ、ミランダらが立て続けにゴールに迫ったが、堅固なスイスが守り切った。4年前のリオでの準決勝での1-7でドイツに屈した有名な敗戦以来、初めてとなるワールドカップの試合で、ブラジルは、本領発揮までに時間がかかった」と試合をレポートした。 記事によると、ブラジルがワールドカップの初戦で勝てなかったのは1978年にスウェーデンに1-1で引き分けて以来で、1982年から2014年まで9連勝中だったという。 米のスポーツ専門メディアのESPNは、ブラジルのエース、ネイマールの不発を問題視した。 「ブラジルは、ファウルばかりで苛立ちを募らせた。勇気あるスイスが引き分けでネイマールをしらけさせた」との記事を配信した。 記事は、ブラジルのチッチ監督が、15日の会見で「ネイマールはワールドカップの初戦にまだ100%の状態にならない」と発言したことをとらえ、「そのことを認めたのは驚きではなかった」とし、「ネイマールは本来の彼の姿でなかった。フィジカルコンディションは明らかに悪かったし、ピーク時のネイマールに比べてシャープさに欠けていた。だが、彼はピーク時の動きができなくても自らの存在価値を証明しようと必死なようだった。本来はパスを出すべきだったところで、シュートやドリブルを選んだ場面が多く、自分の力で試合を勝利に導ける選手であることを見せようとしているかのようだった」と、そのプレーが、自己中心的なものになっていたことを批判した。 そして「ネイマールは試合終盤のヘディングシュートを止められ、決定的な瞬間を見せる最後のチャンスが消えた時、彼の眼には涙が見えたようだった。このブラジル代表は、彼に頼ることができなかったが、なんとかしてくれ、と願うネイマールが、そこにいた」と記した。 ネイマールは足の故障でワールドカップの出場が危ぶまれていた。直前の親善試合で復活をアピールしたが、まだベストの状態ではなく、しかも、この試合では、スイスディフェンスの徹底マークにあい、10個のファウルを受けていた。1試合、10個のファウルはワールドカップ史上2番目に多い記録だという。