【オーストラリア】豪の住宅価値総額、初めて11兆$突破
オーストラリアの住宅価値総額が、2024年9月までの1年間に9,000億豪ドル(約90兆円)増加し、初めて11兆豪ドルを突破したことが、調査会社コアロジックのデータで分かった。ただ、2024年第3四半期(7~9月)の全国の住宅価値は前期比1.0%上昇にとどまり、年間の価値上昇率も前年の9.7%から6.7%に低下し、需要の弱まりが示されている。オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)が伝えた。 都市別の住宅価値総額では、パースが前月比、前四半期比、前年比で最も増加し、継続した需要と限定的な供給により前年比では24.1%増を記録した。シドニーとブリスベン、アデレードでも過去最高額を記録している。 コアロジックのエコノミストは、住宅建設が進み、住宅価格がさらに上昇することで、住宅価値総額は今後も継続して増加すると予想。連邦政府が掲げる今後5年で120万戸の新築住宅建設目標も、住宅価値総額の押し上げに役立つと分析している。 住宅価格上昇率は今後低下するとみられるが、長期的なキャピタルゲインを求めてより多くの投資家が住宅市場に戻ってくる見通しだ。 また金融AMPのエコノミストも、記録的な住宅価値総額は住宅市場の回復力と長期にわたる価格上昇の証明となっていると説明。住宅不動産が大半を占める国民の資産が堅調で拡大傾向にあることを示しているが、収入の増加よりも不動産価格の上昇スピードが速いため、個人の資産額と世代間格差は拡大しているという。