久保と岩渕の涙で片づけられた東京五輪。「頑張って追いかける」だけでは先進国を上回るアイデアを
代表監督は「金メダルを目指す」と繰り返したが、絵に描いた餅に
東京五輪は4位に終わり、久保の涙で片づけられ……。世界に追い付くには戦い方も強化策も先進国を上回るアイデアが要る。(C)Getty Images
五輪ごとにメディアのメダリスト偏重の傾向が強まっている。東京大会後のテレビ特番も、ゲストは決まってメダリスト限定だった。 東京2020で日本は計58 個(うち金27個)ものメダルを獲得した。冬季なら入賞ゼロの大会が2度もあったし、夏季でも1990年代の2度の大会は金が3個と低迷した。男子サッカーで日本がブラジルを倒したマイアミの奇跡が喧伝されたのも、日本選手団全体の不振とも関係していたのかもしれない。 ちなみに53年前のメキシコ五輪では、最大の快挙と評されたのがサッカーの銅メダルとマラソンの君原健二の銀メダル(当時は男子のみ)だった。日本は11個の金メダルを獲得したが、閉幕近くでインパクトが強くサッカーは望外の出来事だったので、校庭でボールを蹴り始める子どもが急増した。 今回の五輪が33競技339種目なのに対し、53年前は20競技163種目。世界規模での競争率を
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