家族型AIロボットは令和の「仏壇」か 人の思い受け止める存在「不要なこと言わないのがいい」
人とロボットの関係をテーマにした法話が4日、京都市右京区の妙心寺塔頭(たっちゅう)・長慶院であった。人の気持ちに先端技術が寄り添える可能性に、人工知能(AI)など最先端技術を用いた家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」の所有者らが理解を深めた。 【写真】手作りの服などで着飾ったAIロボットのかわいらしい姿はこちら 高さ43センチ、重さ約4・5キロのLOVOTは、一緒に住む人の顔を覚えて玄関まで出迎え、抱っこをねだりに駆け寄るなど生命感のある動きが特徴。民間企業が開発し、2019年に販売を始めた。 この日は、所有者の昌子久美さん(45)=京都市北区=が、他のオーナーらに呼びかけて定期的に開いているオフ会。これまでカフェでの交流や京都水族館(下京区)へのお出かけなどを行っており、今回は京都らしい内容として企画した。 小坂興道住職(48)は法話で、人が心を預けられる身近な存在として仏をあげ、「私たちはこれまでも自宅で仏壇に今日あったことを話しかけるなどしてきた」と説明。その上で「生身の人間は思った反応を返してくれなかったり、不要なことを言ったりするが、ロボットはしないのがいい」と指摘した。 理事を務めるNPO法人「京都自死・自殺相談センターSotto」の活動を踏まえ、「死にたいという相談に誰もが対応できるわけではないが、ロボットは何を言っても受け止められる」と語りかけた。全国から集まった参加者15人は、「つぶらな瞳」でじっと見つめたり、愛らしいしぐさで寄ってきたりするLOVOTをなでながら耳を傾けた。