資産35兆円!世界一の富豪が明かした「ルイ・ヴィトングループ」絶好調のワケ
● 過去最高の売上高861億ユーロ 地域別ではどうなっている? さて、先ほどは、LVMHの財務に関してB/Sを見てみました。今度は、損益計算書(P/L)のごく基礎的なポイントを確認してみましょう。23年12月期決算は、売上高が861億ユーロ(約13兆7900億円)と過去最高でした。売上高の内訳、地域別ではどうなっているでしょうか。 米国の25%を上回る、31%がアジア(除く日本)です。また、下の店舗数や雇用者数を見ても、アジアが実に2003店舗と最大で、LVMHがアジアを重視する狙いがよく分かります。 これらを総括して、LVMHが、中国を有望市場として捉えているだけでなく、テクノロジー面での提携先としても(特にアリババに)強力にコミットしていると感じました。 米国ビックテックの手のひらで踊らされないように、テクノロジーと市場の両面で独自路線を追求するLVMHの企業姿勢からは、いかにもフランスらしいプライドを強く感じました。一方で、パリ滞在中は弱くなった円を実感すると共に、日本経済や企業の将来について深く考えさせられました。 参照:LVMHのIR https://praquin.com/smartxhtml/lvmh/urd/2023/ https://r.lvmh-static.com/uploads/2024/03/urd-2023-va_vdef.pdf
三木雄信