ガンダムが宇宙から東京五輪を応援 組織委が会見(全文1)ISSから超小型衛星を放出
衛星は3U(10×10×30センチ)サイズ
さて、今回の衛星の基本になる衛星をご紹介します。これは去年2月3日に打ち上げられたTRICOM-1R「たすき」ですね。実はこれの地上でいろいろ試験をするモデルを今日持ってきていますので、サイズ感なんかを見ていただきたいと思います。それじゃあよろしくお願いいたします。 3Uっていうのは、これは10センチ、10センチ、30センチという、これを世界では3Uという標準サイズで呼んでいますけれども、これは東京大学の中で研究開発をして、去年2月に打ち上げて、地上からの非常に弱い電波を受け取るとか、あるいはカメラで撮影した地球の映像を地上に送るというような実験を行いました。打ち上げていただいたのは、世界最初の【軌道上ロケット 00:15:27】と呼ばれたSS-520の5号機ですね。これが、われわれのベースになります。 この設計をベースとしまして、ガンプラの格納スペースをつくりました。それから、それから出てくる展開機構をつくりました。それからカメラもたくさん搭載しています。こういったアレンジをすることによって、今回の衛星につなげていきたいと思っています。 この東京2020を盛り上げるための挑戦ということですけれども、これまでわれわれがつくってきた衛星との違いという意味では、この中のどこかに、これではありませんよ、これは去年打ち上げた衛星のモデルですけれども、どこかにこのシャアザクを格納して、それが飛び出てくるような機構をつくっていきましょうと、さらにそのどこかに電光掲示板、これも格納しているのが飛び出てくる形になっています。カメラも複数搭載して、いろんな角度から捉えられるようにしていきましょうと。さらには宇宙空間の環境に耐えるような、このガンプラの素材と塗料をいろいろ工夫してまいりました。
ガンダムやシャアザクの目が5色に光る工夫も
さて、宇宙の環境、これはもう釈迦に説法かもしれませんけれども、地上とどう違うのか。これ、ただ地上で作ったものを宇宙に持って行って動くわけありません。宇宙っていうのはそれなりのことを考えなきゃいけないっていうことを書いたのがこれでございます。真空であること、それから放射線、これは半導体なんかはだいぶやられますよね。それから熱も、例えばアルミニウムに正面から太陽が当たると400度を超えます。それから地球の裏側に入ると極めて低温になる。これに耐えられるような装置にしなければいけない。打ち上げるときには激しい加速度とか加重が掛かります。それから振動が掛かります。 ただ、宇宙ステーションからの放出の場合には、これはだいぶ楽になります。それからちょっとやっかいなのが紫外線とか原子状酸素と、こういったものがいろんな材料の劣化を招く。これに耐えなければいけない。それから通信も、近い距離ではなくて、もう最低でも500キロ。遠ければ数千キロという通信をしなければいけない。こういったことを考えながら、われわれ、衛星をつくってまいりました。今回のこのシャアザクのモデルに関しても、これと同じようなことを考えていかなきゃいけないというところでございます。 それで、この衛星搭載のガンダム、シャアザクへの工夫に関しては、超小型衛星に格納できるための工夫をしなければいけない。これはサイズ、主としてサイズですね。それから宇宙環境で変質しにくい素材、塗料を使用しなきゃいけない。それから振動、熱、温度環境、それから真空などのさまざまな試験を実施して、宇宙で大丈夫であることを確認していかなきゃいけない。それからこれは五輪なので、ちょっとユニークなことをやろうということで、ガンダムとかシャアザクの目が5色に光るという、こういうことも加えています。 ということで、とっても小さいモデルの中にいろんなことをやらなきゃいけないので、とても大変だったので、この辺の大変だった話を、この開発の方々に一言いただきたいと思います。それではよろしくお願いします。 【書き起こし】ガンダムが宇宙から東京五輪を応援 組織委が会見 全文2に続く