ガンダムが宇宙から東京五輪を応援 組織委が会見(全文1)ISSから超小型衛星を放出
中須賀氏「テレビで放映されたころから大ファン」
中須賀:はい、ありがとうございます。いやもう本当に、最初話を聞いたときは、え、やるんか、ほんまにおるんかと思いましたけどね。われわれ宇宙で衛星をつくってきましたから、なんかこの宇宙使ってオリンピックを応援できないかなと思っていたところにこの話が来ました。それから私自身が1979年でしたかね、「ガンダム」がテレビで放映された、そのころから大ファンで、そういったご縁もあって、今回この企画に参加させていただいたこと、本当に心より楽しく思っています。 つくるの、ちょっとプレッシャーあるんですよね、やっぱりね。なんとか成功させなきゃいけないと。このプレッシャーあるけど、これもまた1つの楽しみに変えて頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 司会2:はい。皆さま、素晴らしいあいさつ、ありがとうございました。それでは引き続き、中須賀先生には本日のメインテーマであります本プロジェクトのご説明をお願いしたいというふうに思っております。少し準備に入りますのでおまちください。どうぞ。大丈夫です、お願いします。
プロジェクトの説明
中須賀:はい、それじゃあ、あらためまして、東京大学の中須賀でございます。今回はこういうことで、われわれのこれまでつくってきた衛星技術を生かして、非常に大事な、東京オリンピックを応援する、オリンピック・パラリンピックを応援する衛星をつくるということになりました。まずはその衛星の概要をご紹介させていただきたいと思います。それでは最初にこの映像を見てください。 はい、このように宇宙の中で浮かぶガンダムとそれからシャアザクのモデルがありますね。それから宇宙ステーションが見えています。これが1つのモチーフになってます。どんなことをやるのでしょう。これから説明させていただきたいと思います。 まず、国際宇宙ステーション、ISSですね。これの「きぼう」モジュールから3Uサイズといって、10センチ、10センチ、30センチ、この超小型衛星を放出します。その中には普通の衛星ではありませんよ。ガンダム、シャアザクのモデルが入っています。これが出てきて地球や宇宙を背景に衛星のカメラで自撮りします。これを地球へ送信すると、こういうことを行います。 さらには電光掲示板。これが衛星上に搭載してあって、さまざまな応援メッセージを、これは地上からのアップリンクのコマンドで中身を変えられるわけですから、これを撮影して地球へ送信すると、こういう実験をやりたいというふうに考えています。 この技術、われわれ、大学でこれまで培ってきた技術がベースになりますので、ちょっと簡単に、われわれがやってきたことをご紹介したいと思いますけど、実は世界で最初の1キログラムという、こんな小さなサイズの人工衛星を打ち上げたのは、われわれの研究室なんですね。これが2003年。そこから、もともとは工学教育であるとか、あるいは実験からスタートしてるんですけれども、だんだんと実用に近いところまできまして、今はだいたい1キロから50キロぐらいの衛星を使った宇宙科学探査であるとか地球観測、あるいはベンチャー会社を立ち上げたり、それから外国への衛星開発の支援を行ったり、それから県なんかにも支援をして一緒に衛星開発をしていると。 で、こういうことをやってきたんですけど、今回さらにエンターテインメントという、また新しい分野が出てきたということで、われわれとしてもわくわくしています。 ちょっと1例、小さな衛星の例としては、2013年に、これは宇宙ステーションにちょうど若田飛行士がいらっしゃったときに、ベトナムと一緒に開発した1キロの衛星の放出を経験しました。東大がいろいろ支援をして、こういうふうに宇宙ステーションから放出されるんですね。これが今回のベースになる、これと同じようなものをやっていきたいというふうに考えているところでございます。