田中恒成「自分の気持ちを鼓舞してくれる」14日の初防衛戦で４年ぶりに父がセコンド復帰
ボクシングの世界4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者・田中恒成（29＝畑中）が4日、名古屋市内の所属ジムで練習を公開した。 10月14日に東京・有明アリーナで同級6位ブメレレ・カフ（30＝南アフリカ）との初防衛戦に臨む。当初は7月に予定された初防衛戦だが、挑戦者の同級12位ジョナタン・ロドリゲス（28＝メキシコ）の2・9キロもの体重超過で中止となった。田中は「僕にとって大きな目標ではなかった」と少ないダメージを強調。今後の目標を以前から公言している同級での世界4団体ベルト統一をあらためて掲げた。 減量、厳しい練習をへての調整の末に試合が中止。精神的に大きなダメージを負ってもおかしくないが、田中は自身を失うことはなかった。自身を進化させる時間へとプラスに転化した。「ここ数試合、ディフェンスとか順番に意識してきたが、大きな変化、時間がかかることをやってきた。自分のスピードを取り戻しつつある」。 その上で今回、父の斉氏（57）がセコンドに復帰する。田中が自ら依頼した。20年大みそか、井岡一翔に初黒星を喫した後、新たな可能性を求めてコンビを一時解消していた。「自分の気持ちを鼓舞してくれる。足りなかった部分。爆発力をもたらしてくれる」と田中。父の斉氏は「子どもに言われて断る父親はおらんでしょう」と即断した。 あらためてチームを組み直し、今後のターゲットも明確に定めた。「この階級でやれることをやって、将来的にはもう1つ上の階級は見据えています」。ベルト統一の後は日本選手初の5階級制覇へ。大きな夢へ走る試金石となる。
