日本の“レジェンド”武豊がアルリファーと11度目の凱旋門賞へ。唯一の日本馬シンエンペラーの前に立ちふさがる海外強豪馬の実力は?
不気味なのは愛ダービー馬。仏牝馬限定GⅠ馬にも警戒
その他では、今年の愛ダービー(G1、カラ・芝2400m)を制したロスアンゼルス(牡3歳/A.オブライエン厩舎)が不気味だ。 同馬はデビューから3連勝で、2歳時にはクリテリウムドサンクルー(仏G1、サンクルー・芝2000m)、3歳になって愛ダービートライアルステークス(G3、レパーズタウン・芝2000m)をそれぞれ制した。無敗で臨んだ英ダービー(G1、エプソム・芝2410m)は残念ながら3着に敗れたが、次走の愛ダービーでは2番人気に推され、早めに先頭に立って押し切る強い競馬で復権を果たす勝利を挙げた。 同馬はプレップレースとして臨んだアイリッシュチャンピオンステークス(愛GⅠ、レパーズタウン・芝10ハロン=2000m)では、シンエンペラーに次ぐ4着に終わったが、これは距離不足もあってのものではないだろうか。得意の2400mに戻れば、巻き返すチャンスが見えてくるはずである。 さらにもう1頭ご紹介するならば、牝馬限定GⅠのヴェルメイユ賞(仏ロンシャン・芝2400m)を制したブルーストッキング(牝4歳/英・R.ベケット厩舎)も怖い存在。昨年の愛オークス(G1、カラ・芝2400m)で2着に入って注目を集め、今年のプリティポリーステークス(カラ・芝2000m)でG1初制覇を達成した。ザルカヴァ(2008年)、さらにはソレミア(2012年)、トレヴ(2013、14年)など、これまで凱旋門賞馬を送り出しているヴェルメイユ賞の勝ち馬は侮れない。 しかも、本馬は凱旋門賞への出走登録がなかったため、追加登録料12万ユーロ(約2000万円)を支払って出走態勢を整えた。この意欲的な挑戦が不気味だ。 長年に渡る悲願だった日本馬の勝利はなるのか? 武豊騎手の歴史的戴冠は? 世界中の競馬ファンの耳目が集まる凱旋門賞は、日本時間の6日23時20分にスタート予定。もちろん馬券の発売も行なわれ(JRAプール)、当日の朝7時からレースの2分前まで、ネット投票とUMACA投票(スマートは午前8時半から、発売機は営業時間中)で買うことができる。 歴史的一瞬を見逃さず、聞き逃さないよう最高に熱い視線を注ぎたい(出走馬情報は10月3日時点)。 文●三好達彦