海保、JR九州高速船を家宅捜索 浸水隠し、船舶安全法違反疑い
福岡海上保安部は17日、博多港と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」の浸水隠し問題で、船舶安全法と海上運送法違反の疑いで、JR九州の子会社「JR九州高速船」(福岡市博多区)と同船を家宅捜索した。JR九州は「海上保安部の捜査に真摯に対応する」とのコメントを出した。 福岡海保は「証拠隠滅によって捜査に支障が出る恐れがあるため、強制捜査に踏み切った」としている。 JR九州高速船は2月、浸水を確認したにもかかわらず、長期にわたって国土交通省への報告を怠り、運航を継続。国交省の8月の監査で隠蔽が発覚した。高速船は同月13日から運休している。 国交省は9月、海上運送法に基づく安全確保命令と、安全統括管理者・運航管理者の解任命令を出した。10月末までに再発防止策を報告するよう求めている。 JR九州は9月、外部有識者で構成する第三者委員会を発足させ、隠蔽の原因や事実関係の解明を進めている。調査結果がまとまり次第、関係者の処分に踏み切る方針。
JR九州高速船は1990年、JR九州の船舶事業部として高速船を就航した。