塩野瑛久『光る君へ』一条天皇役の苦悩を語る「楽しかったのは最初だけ。あとはもがいて、苦しんで…」
主演が女性。脚本も女性。そしてチーフ・プロデューサーも女性という今回の大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合・日曜午後8時~ほか)で、一条天皇を演じる塩野瑛久(29)が8月28日放送の『歴史探偵』にゲスト出演する。『歴史探偵』は俳優の佐藤二朗が所長、アナウンサーたちが探偵に扮して、歴史に秘められた真相をさまざまな視点から調査する番組。28日放送では『光る君へコラボスペシャル2源氏物語』と銘打って、源氏物語誕生に秘められた真相に迫っていく。塩野は、藤原道長役の柄本佑とともにスタジオでのトークに参加するという。(構成◎吉田明美 写真提供◎NHK 以下すべて) 【写真】扇を前に、役柄と同じく上品な笑顔の塩野さん * * * * * * * ◆濃かったなあという印象 8月20日、都内で行われた番組の取材会に出席した塩野はくしくも『光る君へ』のクランクアップを迎えたばかり。平安時代の雅な一条天皇から一転、現代の若者らしいピンクのシャツ姿で会場に登場した。 最初に今の心境を問われた塩野は、少し考えてから「濃かったなあという印象」と感慨深げに一言。一条天皇という人間と向き合った濃密な時間に思いを馳せた。 「楽しかったのは最初だけ。あとはもがいて、苦しんで、自分の大切な人との死と向き合って…」と一条天皇の生きざまを自分の中に投影させながら語った。 同席した『光る君へ』制作統括の内田ゆきチーフ・プロデューサーが「塩野さんはオーディションで選ばれたが、一条天皇というのは非常に難しい役。脚本の大石静さんと共に、最初は少し心配していた。寵愛していた年上の定子の後うんと年下の彰子を妻にするわけで、両方に魅力があるように演じてねと頼んだ」と話すと大きく頷いた塩野。 「本人も努力されて、役作りする中で成長され、そんな努力を飛び越えていまや一条天皇といえば塩野瑛久となった。塩野さん、本当にありがとう!」と続けた言葉には思わず「泣いちゃう!」と反応した。