三菱商事マテリアルソリューショングループがBtoB取引新サービス。請求書や決済デジタル化、鉄鋼流通向けに提案
三菱商事は、中小企業のBtoB取引で請求書や決済をデジタル化する新サービスの提供を10月中にも開始する。マテリアルソリューショングループ新規事業開発本部産業素材DX部が企画し販売支援するもので、まず二・三次商の鉄鋼流通を中心とした素材業界の川中・川下分野で提案していく。 同サービスはフィンテックのスタートアップ企業、OLTA(オルタ、本社・東京都港区)を提供主体とし、三菱商事、三菱UFJ銀行、三菱UFJニコス、ペイジェント(本社・東京都渋谷区)の5社が戦略的業務提携を結んで知見を結集、普及を図る。 同サービスでは、アカウントを作成すれば請求書のデジタル管理を基本機能無料で利用でき、インボイス制度に対応した請求書の発行や電子帳簿保存法に対応した請求書の受け取り、法人カードとの連携などが可能。クラウド上の請求書をカードで容易に決済でき、現金でのやり取りや保管リスクを減らせる。 カード決済は、ペイジェントのシステムを活用したBPSP事業者による提供サービスとし、BPSP事業者が立替払いをすることで売り手はカード加盟店でなくても利用でき、与信リスクをなくせる。利用できる上限金額は法人カードによるが、主な対象は小口取引の決済。通常のクレジットカード決済と異なり手数料は買い手が負担するが、支払いサイトを最大60日間伸ばせるなどキャッシュフロー改善につながるメリットがある。 日本ではBtoB取引でカード決済の利用が限定的な一方、2026年には約束手形が廃止される方向で、電帳法改正、電子インボイス制度など決済を巡る取り組みは大きく変化している。三菱商事は素材業界をはじめとした中小企業の支払い業務を効率化できるソリューションとして幅広く可能性を探り、将来的には鋼材取引のDXツール「Mill―BOX(ミルボックス)」や「M―Stock(エム・ストック)」といった他サービスとの連携も検討していく。