今こそ金八先生が必要?部活は教師が指導すべき?大空幸星氏「授業外での教師との人間関係に救われてた子供はいる」
■部活は「全人教育」に必要
一方で、白梅学園高校の校長で、バドミントン部顧問歴30年以上の武内彰氏は「部活は全人教育に必要」との考えだ。「授業を通して、教科の力を育てるだけではなくて、部活動を通して人間性を高め、育てていくことの意義は、日本の教育の大切な部分だ。部活は教師の犠牲の上に成り立ってきた部分ではあるが、失ってはいけない部分だと考えている」。 指導するのが外部の人より教師の方がいいと言える点はどこか。武内氏は「教師は生徒を多面的に見ている。授業の様子、学校行事の取り組み方、部活動での姿勢、生徒会、委員会活動、多面的に生徒を見ていて、授業で輝く子、部活で輝く子、いろんな良い点、あるいは足りない点を見て、その上で生徒に声かけをして、対応していくというところが強みだと思う」と答えた。 武内氏は、部活の顧問経験から、「例えば部活動に入ってきた子で、勉強面では頑張れないが、部活は頑張る子がいる。その中で、成績がどうかを見て、声かけしていく。きちんと一日の中の時間のすみ分けをして、勉強と部活と両方伸びていくことを期待しているというメッセージを送っていく。そうすると校長室に来て、質問や相談に来たりする。その中で伸びたという手応えを感じて、子どもが育っていくのは毎年あることだ」と語った。
■今こそ金八先生が必要?
衆院議員の大空幸星氏は「相談窓口をやってた時、部活動の人間関係で悩んでる子供たちの相談もめちゃくちゃ多かった。『顧問の先生に悩んでる』『急にリーダーにさせられた』など。それで追い詰められてるケースもたくさんある。しかし一方で、その子どもたちを多面的に見られる意味では、武内氏の言うように部活動もひとつの場だとは思う」との見方を示す。 さらに「クラスで教室に座ってる時と、友達と話してる時は全く違う。今は脱・金八先生時代だが、授業外での教師との人間関係で救われた子供たちは現実的にいる。その機能をどう代替するかという議論をしないといけない。クラス以外の多面的な場所、人間的な繋がりを確保できる場所は、部活動以外にないのが現実だから」と述べた。 武内氏は「苦しんでる先生や適切な指導者がいない場合などは、地域の力を借りていく。その一方で、自分の学校の生徒をきちんと指導できる教員がいる場合、全面移行ではなく、学校で指導できる余地をやっぱり残すべきだと思う」とした。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部