【パリ五輪】「あれは彼の人生を懸けたシュートだった」日本を悪夢に陥れたフランスの21歳、マシュー・ストラゼルとは<DUNKSHOOT>
パリ五輪グループリーグ第2戦の日本対フランス戦。日本の4点リードで迎えた残り10秒の場面で値千金の3ポイントを突き刺し、さらに河村勇輝のファウルを誘って4点プレーを完成させたのは、フル代表で国際トーナメント初出場となる21歳のガード、マシュー・ストラゼルだった。 【動画】ストラゼルの「人生を懸けたショット」を捉えた1枚。第4Q残り10秒に日本に起きた出来事をFIBA公式がイラスト化 年齢が近い(ストラゼルは8月5日に22歳の誕生日を迎える)上に、同じパリ郊外で生まれ育ったことで少年時代から何度となく対戦し、2021-22シーズンはアスベルで共闘しているヴィクター・ウェンバンヤマは試合後、チームの救世主についてこう描写している。 「僕は彼が怖気付くようなところをこれまで一度も見たことがない。どのレベルにおいてもね。彼と初めて対戦したのは、僕が10歳か11歳の時だった。彼はチームの中で一番年下の選手の1人だったけれど、その時からチームのリーダーという気概を持ってプレーしていた。体格的にはチームで一番小さかったのにだ。 僕はずっと前から、彼が心の内に燃えるような熱いものを秘めていることを知っていた。彼はタフガイのメンタリティをそのまま形にしたような選手だよ。焦らず時間をかけて学び、与えられた出場時間を最大限に活用してここまでやってきたことが、こうして実を結んだんだ」 ストラゼルが3ポイントシュートを放った瞬間、ウェンバンヤマは「リバウンドを取りに行かなくちゃ」と思ったというが、ファウルのホイッスルを聞くと、ストラゼルに駆け寄ってフリースローの激励をしたと話す。 「あれは彼の人生を懸けたシュートだった。それを“生”で経験できた彼は幸運だ」とウェンビーはドラマチックな場面を振り返っている。そしてストラゼルにとってあれは、自信満々で放った会心の一打だったという。 ルディ・ゴベアからボールを受けたあと、カバーに来た渡邊雄太をかわすように左ステップでポジションをずらしてボールを放ったが、「左サイドに出て打つのは僕の得意技なんだ。入ってくれて嬉しいよ。もし決まってなかったら、逆転するのはものすごく難しかっただろうからね」と、“決め技”のシュートだったことを明かしている。 その後のボーナススローは、延長戦に持ち込めるか、相手に勝機を与えるかの瀬戸際の1本だったが、これも彼にとっては「あれは自分の十八番」と呼べるほど自信のあるものだったという。 「フリースローは自分でコントロールできるものだ。そこにあるのは自分とバスケットだけ。これまで14年間、ずっとやってきたことだからね。僕は自信を持ってプレーするとすべてがよく回るタイプの選手なんだ。チームメイトやスタッフから期待されるとワクワクしてくる。そうやって試合で躍動している時、僕は最高の自分、一番自分らしい自分でいられる気がするんだ」
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