2023年の対マカオ直接投資流入は大きく減少…カジノ業外来投資者の利益はプラス転換
マカオ政府統計・センサス局が10月30日に発表した昨年(2023年)の直接投資統計によれば、同年マカオへ流入した外来直接投資は前年から57.2%減の130.7億パタカ(日本円換算:約2500億円)だった。 外来直接投資が大きく減少した要因として、前年に大規模金融企業の設立があったことやカジノ経営コンセッションの入札準備のためゲーミング(カジノ)企業が資本金を大幅増強したことが挙げられる。 業種別では、金融業が77.7億パタカ(約1486億円)、卸売・小売業が64.3億パタカ(約1230億円)、主な直接投資元は英領ヴァージン諸島の109.2億パタカ(約2089億円)、香港特別行政区の69億パタカ(約1320億円)。一方、一部の大企業がコロナ禍で外資の株主や海外関連会社から調達した借入金の返済を開始したことを受けて、ケイマン諸島からの資金流入は79.6億パタカ(約1522億円)のマイナスとなった。 外来直接投資者の投資利益(税引後利益及び受取利息などを含む)は501.4億パタカ(約9590億円)で、コロナ前2019年の63.4%まで回復。ゲーミング業の利益が201.8億パタカ(約3860億円)のプラスに転換したほか、卸売・小売業についても41.7%増の111.4億パタカ(約2131億円)に。 2023年末時点までの対マカオ累計直接投資総額は前年から4.2%増の3831.2億パタカ(約7兆3278億円)。業種別では、金融業が7.2%増の1311.1億パタカ(約2兆5077億円)、卸売・小売業が14.5%増の424.4億パタカ(約8117億円)、ゲーミング業が0.6%減の1425.2億パタカ(約2兆7259億円)。投資元の国・地域別では、香港特別行政区、中国本土、英領ヴァージン諸島からがそれぞれ6.1%増の1011.3億パタカ(約1兆9343億円)、2.3%増の872.4億パタカ(約1兆6686億円)、18.3%増の849.4億パタカ(約1兆6251億円)。 このほか、2023年のマカオ企業による在外直接投資は95.7%減の3.4億パタカ(約65億円)、投資利益は60.9%減の3.4億パタカ(約65億円)。2023年末時点までの累計は前年から3.4%増の1113.3億パタカ(約2兆1301億円)で、中国本土向けが5.8%増の861.1億パタカ(約1兆6475億円)を占めた。また、中国本土向けのうち46.3%がマカオと隣接する広東省珠海市の横琴に関するものだった。 直接投資統計は工業、建設業、卸売・小売業、ホテル・飲食業、運輸・倉庫・通信業、金融業、ゲーミング業、不動産開発・賃貸販売業等に属するマカオ企業が対象で、個人は含まれない。