DeNA先発のケイに内角を意識させられたソフトバンク打線 若手による継投の難しさが出た終盤の失点【秋山幸二氏の視点】
◆SMBC日本シリーズ2024 第4戦 ソフトバンク0―5DeNA(30日、みずほペイペイドーム) 【#評論家の視点/#秋山幸二 氏】 第3戦の東に続き、DeNA先発のケイに素晴らしい投球をされた。初回は先頭の柳田が内角のツーシームを振った際に驚いたような顔を見せた。球の強さと速さを意識させられたのだろう。最後は外角のスライダーで空振り三振。ケイは右打者の懐もカットボールで厳しく突いていた。 ■投げ終わった後のしぐさと笑顔がたまらん…山下美月の始球式【写真複数】 私が映像で見たケイはもう少しコントロールがアバウトな印象だったが、今回は完璧に近い出来。打順が一巡した3回までに全て空振りの6三振を奪われ、状態が悪くなかったソフトバンク打線も「簡単には攻略できないな」という感じになったのではないか。 その中でも先発の石川は粘り強く投げた。悔やまれるのは4回にオースティンに浴びた一発。インサイドを攻めるつもりの直球が逆球になり、甘く入ってしまった。唯一ともいえる失投を捉えられたものの、その後の打者を抑えて、試合をつくったのはさすがだった。 DeNAにリードを広げられた終盤は継投の難しさが出た。第3戦は大津が代わりばなに桑原にソロを許したが、この日は尾形が回をまたいだ7回に宮崎に一発を浴びた。岩井も踏ん張りきれずに一挙4失点。期待して送り出した若手の経験の少なさが出た形となった。 8回はヘルナンデス、9回はオスナと勝ちパターンはできている。ただ、救援陣は故障者が続いた影響もあり、そこまでは若手に頼らざるをえない部分もある。その点を考えると、横浜での2試合のように打線が先制した上で、先発が終盤まで粘って試合を優位に運びたい。 これで対戦成績は2勝2敗の五分となった。31日の第5戦を託す大関は日本シリーズ初先発で、1軍の試合に投げるのも久しぶりだ。彼が本来の投球をして試合をつくれるか。17イニング連続無得点の打線には早い援護を期待したい。(西日本スポーツ評論家) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社