Excelの達人が「何の強みにもならない会社」と「大歓迎される会社」の決定的な違い
同じレベルのスキルでも、どの場所に身を置くかでそれが「強みになるか」どうかは変わる。「強み×場所」で考えることが重要だ。場所を考えていない人がやりがちなパターンを紹介しよう。※本稿は、石倉秀明『CAREER FIT 仕事のモヤモヤが晴れる適職の思考法』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 成果を出しやすい場所を選べ 例えば、Excelを自由自在に使いこなせる人がいるとします。その人にとってExcel の関数などはお手のもので、意識せずとも普通に扱うことができます。 そうしたスキルが強みである人が、仮に外資金融系の会社やコンサルティング会社に入社して働くとなった場合、どうなるでしょう。 Excelを駆使してマクロ計算したり、データを分析したりすることは、そのような会社の社員ならできて当たり前の世界です。Excelを自由自在に使いこなせることは、何の強みにもならないスキルになってしまうのです。 けれども、Excelのスキルが行き渡っていないような会社、まだExcelが得意という人が少ないか、ほとんどいないようなところへ行けばどうでしょう。意味合いはかなり変わってきます。 これからDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推し進めようとしているところに、Excelを自由自在に使いこなせる人が経理として採用されたとします。一瞬でデータ集計をやれたら、「この人はすごいぞ!」という評価になるでしょう。 誰でもExcelが使える外資金融系の会社とは、まったく違う評価をされたりするわけです。 ですから、同じレベルのスキルであっても、どの場所に行くかで、それが自分の強みとして活きてくるかどうかは変わります。 つまり、強みは場所次第で、それが強みにもなれば、そうでもなくなるわけで、それが「強み×場所」なのです。
● 場所の感覚がない人のやりがちなパターン(1) 場所の感覚がない人がやりがちな例として2つほど挙げてみます。 例えば、自分のキャリアを変えたいと思うときに、スキルだけに注目して、スキルそのものを磨こうとするパターンです。 「もっとExcelのスキルを上げなきゃいけない」 「もっと経験を積まなきゃいけない」 そんなふうに考えてしまい、いきなりビジネススクールなどに通って、Excelの資格検定みたいなものを受けるだけで終わってしまう場合です。 つまりこれは、「自分の強みを活かせる場所はどこなのか」という視点が抜けてしまったパターンだと言えます。 ● 場所の感覚がない人のやりがちなパターン(2) スキルアップだけを考えてしまうという意味では、「Excelだけだとたいしたスキルじゃないな」と自分で勝手に決めつけて判断し、焦って別のスキルも身につけようとしてしまうパターンもあります。 そのために、プログラミングスクールやデザインスクール、ライター養成所などに通って、未経験でプログラマーやデザイナー、ライターになろうと考えてしまう場合も多いのではないでしょうか。これも、場所に対する視点を持てずに、自分の強みをレベルアップさせることばかりに注視してしまうパターンだと思います。 その結果、クラウドソーシングで、1文字0.1~0.5円くらいの単価の記事を書く世界に入っていってしまい、本当にそれが自分の強みを活かした働き方・キャリアなのか分からなくなってしまいます。
石倉秀明