ベテラン女性管理職「会社員生活はもういいかな~」…定年目前まで「リタイア希望」だったが一転、迷わず「再雇用」を選択したワケ
上場企業に勤める傍ら、自らの経験が役に立てばとブログやX(旧Twitter)で情報発信をしている「いくみ@女性管理職&ブロガー」氏。「定年退職するか、再雇用を選ぶか」というのは、多くのビジネスパーソンが直面する悩みの一つです。いくみ氏の著書『女性管理職が悩んだ時に読む本』(2023年、日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再雇用を選択した同氏の実感や判断材料を紹介します。
経済的な充足って何だろう?
「働く」ということは「収入を得る」ということでもあります。シニア世代に差しかかってくるにつれ、それまで企業の正社員として固定収入を確保していたことが「当たり前」ではなくなってきて、さりとて「年金収入」に頼ろうとしたところで、昨今の年金事情を考えるに無理なもの。定年後の資産形成をガイドする書籍も多数出回るようになってきましたが、「そもそも、経済的な充足って何だろう?」還暦を迎えて改めて考えるようになりました。 ■現役時代と同額ではなくとも、固定収入が続く安心感は大きい 長年固定収入の生活を送ってきましたから、定年になって、「ノンビリしたい」などと考えたところで、いきなりその固定収入が途絶えてしまうのは心許なさすぎ。補足しますと、収入そのものだけでなく、企業の健康保険は国民健康保険に比べてのメリットも様々あるもの。 定年再雇用の制度はそれぞれの企業によって条件も異なるでしょうが、継続することで、少なくともある一定の経済的充足を得られる。実際に自分がその選択をしたことで実感しています。 さらに、改正高年齢者雇用安定法(2021年4月1日施行)により、65歳までの雇用確保が義務付けられたことに加え、65歳から70歳までの就業機会の確保が努力義務となり、高年齢者就業確保措置を講じることが企業に求められるようになった点も追い風です。 -------------------------------------------------- <ワンポイント> たかが会社員、されど会社員。 定年再雇用での固定収入継続(もちろん、正社員時とまったく同額とはならないことが多いですが)には安心感があります。ただし「会社にぶら下がっている」といったスタンスはご法度。あくまでも懸命に業務に従事することが大前提なのは言わずもがなです。 加えて、健康であることも必須条件。経済的な充足とは健康あってこそのもの。病気に罹ってしまっては元も子もないですから、そのための自己管理もより気を配るようにしましょう。 --------------------------------------------------