パート先で「寸志1万円」をもらいました。うれしいのですが、年収が「130万円」をギリギリ超えそうです。来月の勤務時間を減らすべきでしょうか…?
配偶者の扶養に入るため、「年収の壁」を意識して働いているという人もいるでしょう。 年収130万円ギリギリになるよう勤務時間を調整している場合、パート先から受け取った寸志がわずかであっても、壁を超えてしまう可能性もあります。もし勤務時間を減らさなければ、いったいいくら損してしまうのでしょうか。 この記事では、年収130万円を超えた場合の手取り収入の減少額と将来の年金受給額の増加について解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
寸志もボーナスも賞与のこと
寸志とは、一般的にお礼や心付けのことを指しますが、会社から支給される場合は、寸志もボーナスも「賞与」と同じ意味合いがあります。 賞与は通常、給与と同様に社会保険や税金の対象となるため、年収に加算されます。例えば、年収を130万円以内に抑えようと考えている場合、寸志1万円を受け取ることで、その1万円も年収に加算されることになります。 そのため、寸志を受け取った後の年収が130万円を超えないように注意する必要があります。
パート勤めの人が気にする年収基準130万円の壁とは
年収130万円の壁とは、社会保険の扶養から外れる年収基準のことです。社会保険とは健康保険や厚生年金などのことで、年収が130万円を超えると、パート先の社会保険に加入するか、国民健康保険・国民年金に自分で入る必要があります。 例えば、年収131万円となった場合の社会保険料を計算してみましょう。年収131万円の毎月の給与は約10万9000円であり、社会保険算出のための標準報酬月額は11万円となります。 全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康保険料額表によると、東京都の場合は月5489円(40歳~64歳は6369円)の自己負担です。 また、厚生年金保険料は、標準報酬月額に厚生年金保険料率18.3%を乗ずることで算出できます。会社と折半なので、自己負担は月1万65円となります。健康保険と厚生年金を合計した毎月の自己負担分は、5489円+1万65円=1万5554円。年間だと18万6648円です。 つまり、年収が131万円になることで、自分で社会保険料を負担することになり、年間18万円以上も手取り収入が減ることになるのです。