ワールド(WLD)、ブラジルで「Orb」利用開始に
ワールド、オーストリア首都ウィーンで「Orb」利用開始
ワールド(World:旧ワールドコイン)が、ブラジルで生体認証デバイス「オーブ(Orb)」による認証を開始することを11月12日発表した。 ブラジルではオーブによる認証が、世界ツアーとプレビューの一環として2023年に行われたポップアップで初めて利用可能になったが、それが今回再開されるとのこと。11月13日からサンパウロ市内の複数の場所で開催され、将来的にはさらに多くの都市で開催される予定だという。また今回の認証では最新バージョンである「ワールドID 3.0(World ID 3.0)」が使用されるとのこと。 サイバーセキュリティソフトウェアサービス企業のインパーバ(Imperva)社によると、ブラジルではインターネットトラフィック全体の約3分の1が悪質なボットであり、人々に多くの悪影響を及ぼしているとのこと。またパリに本社を置くグローバルマーケティングリサーチ企業であるイプソス(IPSOS)社とワールドコインプロジェクトの関連開発会社であるツール・フォー・ヒューマニティ(Tools for Humanity)が1200人のブラジル人を対象に実施した調査によると、回答者の10人に7人が、消費するコンテンツが人間によって作成されたものか、ボットによって作成されたものかを気にしていることが明らかになったという。そして回答者の93%が、自分自身がID窃盗の被害に遭ったことがあるか、またはそのような被害者を知っていると答えたとのこと。 このようなブラジルでの問題を挙げた上でワールドは、「ワールドID」がオンラインで人間性を確認する方法を提供するだけでなく、10月に開催された 「A New World」イベントで発表された「フェイスオース(Face Auth)」を搭載した新しいディープフェイス(Deep Face)テクノロジーにより、ブラジルと世界中の人々を偽物から守れると主張している。 なお「オーブ」は、ボール状のデバイスで虹彩をスキャンして、各人それぞれの虹彩の特徴をデジタルコード「虹彩コード(Iris Code)」に変換することで、個人を識別する「ワールドID(World ID)」を発行している。これによりワールドコインは世界的なIDシステムの構築を目指しているとのこと。 ちなみに虹彩をスキャンしたユーザーは暗号資産(仮想通貨)「WLD」を受け取れる。また「WLD」の配布により、ベーシックインカム実現も計画されている。
田村聖次(幻冬舎 あたらしい経済)