不運な展開だったけどさ……ノリス、優勝したフェルスタッペンは「”別次元”だったし、どちらにせよ負けていただろう」
マクラーレンのランド・ノリスは、F1サンパウロGP決勝でポールポジションからスタートしたが、タイヤ交換直後に赤旗が出る不運な展開もあり6位フィニッシュ。優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は別次元だったと語った。 【リザルト】F1第21戦サンパウロGP:決勝結果 タイトル争いのライバルであるマックス・フェルスタッペンが17番グリッドに沈む中、日曜日の朝に行なわれた予選でポールポジションを獲得したノリスにとって、サンパウロGPはドライバーズランキングの差を縮める大チャンスだった。 しかし、多くのインシデントが発生したウエットコンディションのレースでは、フェルスタッペンが見事なパフォーマンスを見せ、6月のスペインGP以来となる優勝を飾った。 一方のノリスは、スタート延期に気づかず走り出してしまうという違反を犯してしまう。幸いこれはレース後の審議で罰金となったのみだったが、改めて切られたスタートではジョージ・ラッセル(メルセデス)に先行を許してしまった。 さらにノリスはラッセルを抜きあぐねる中、バーチャルセーフティカー(VSC)がでたこともあって28周終わりにピットイン。コース上でラッセルを攻略することに成功するも、30周目にコンディションの悪化でセーフティカー出動。その最中にフランコ・コラピント(ウイリアムズ)がクラッシュしたことで、レースは赤旗中断となった。 赤旗中断中にはタイヤ交換することが許されているため、最終的に優勝したフェルスタッペン、表彰台に上がったアルピーヌ2台はデメリットなしでタイヤを交換。赤旗前にタイヤを交換していたドライバーが不利に働いた。 ノリスはレースを振り返り、ピットストップのタイミング自体は間違っていなかったと語った。 「ボックスインは正しいタイミングだった……だから後悔はしていないが、ただアンラッキーだった」 「(赤旗中断時のタイヤ交換許可は)誰も賛成しない愚かなルールだけど、自分に有利になるときはいつも賛成するものなんだ。どのドライバーも賛成できない、変えてほしいと考えている」 「だから残念だけど、これがルールなんだ。勝つこともあれば、負けることもある。だから、みんなよくやったよ」 スタート延期した際のことについて聞かれたノリスは「何が起こったのか分からない。チームと話す必要がある」と付け加えた。 フェルスタッペンがレースに優勝したことで、ノリスが縮めつつあったポイント差は62ポイントに再拡大した。今季残りは3戦。カタールGPでスプリントが1回あり、最大86ポイントを稼ぐことができるため、まだノリスが逆転する可能性は残されているが、次戦ラスベガスGPでその差を60ポイント以下にできなければ、フェルスタッペンがタイトル獲得を決めるという戦況だ。 ノリスはサンパウロのトリッキーなコンディションの中でレッドブルが別次元にいたことを認めた。 「今日はできることはすべてやった。それだけだ。マックスがレースを制した。彼はよくやったと思うが、僕にとっては何も変わらない」 「マックスは僕たちよりイージーに速かったし、もし彼が前からスタートしていたら、おそらく僕たちを周回遅れにしていたと思う。僕もペースは良かったし、ジョージと近かったと思うけど、今日のレッドブルはとても速かった」 「確かにアップダウンの激しい週末だった。これ以上はできなかった。(4位になった)ジョージは今日のレースで勝ったような気分だろう」 「僕はおそらく、現実的には3位だっただろうから、厳しいよ。マックスはどちらにせよ前に出ていただろうし、おそらく僕たちを倒していただろう。ただ僕たちにとってはアンラッキーだった。それ以上はない。僕はいくつかミスを犯した。それは僕のせいで、その影響でいくつか順位を落としてしまった。でもそれだけだ」
Mark Mann-Bryans