脚組みや頬杖は、悪い姿勢ではない? デスクワークに効く「正しい座り方」
座っているだけで疲れる。集中力が続かない。つい姿勢が悪くなってしまう...。日々のデスクワークに疲弊している人は多いでしょう。こんなときは、頭で考えるのではなく、体に目を向けるほうが有効です。仕事で本来の力を発揮するための、すぐできる体のセルフケアを鍼灸師の大沼竜也氏が紹介します。 【イラストで解説】体の不調が起こりにくくなる呼吸法 ※本稿は、大沼竜也著『心と体のコリをほぐすセルフリセット』(大和出版)から一部抜粋・編集したものです。
正しい座り方とは「骨で座る」こと
自分がどのように座っているか、意識したことはあるでしょうか? 背筋はピンとして、脚は閉じて、あごが出ないように...など、なんとなく「よい姿勢」を守ろうとする方は多くいらっしゃいます。その結果長く座っていると、お尻が痛くなったり、足がむずむずしてきたり。そんな状態では集中も続かず、落ち着いて座っていられません。 これは、「正しい座り方」ができていないことが原因です。仕事中に気づいてパッと座り方を変えるだけで、スッと集中できるようになりますし、つらい座り方が今後10年続くのと、それよりちょっとでもよい座り方ができる10年では、人生の質に大きな差が生まれます。誰しもがちょっとした意識を変えるだけで、今よりも確実によくなる。さっそく今から自分の座り方を変えてみましょう。 正しい座り方で、最も大切なことは、「骨で座る」ことです。まずはある程度の固さがある座面、椅子やベンチに座ってみます。座面に触れたお尻の中に、左右ひとつずつ骨があるのがわかるでしょうか。 わかりづらい場合は、お尻を左右に揺らしながら、軽く擦り付けるようにしてみます。これが「坐骨(ざこつ)」という骨で、座るときにはここで座るように、意識します。 この坐骨の前側と後ろ側どちらで座るかで、姿勢が大きく変わります。坐骨の後ろ側に体重を乗せれば、骨盤は後ろに寝て、腰は丸くなります。反対に前面で座れば、骨盤が立ち上がり「よい姿勢」に近づきます。