3人のアウトドア達人が語り尽くす!これまでに出合った「絶景キャンプ場」とは
絶景キャンプ場の「絶景」ってどんな景色?これまでのキャンプで見た最高の絶景は?日本全国津々浦々のキャンプ場を泊まり倒した3人が絶景キャンプ場を語りつくします。富士山だけが絶景ではないのだ!? 【写真7枚】離島をひとり旅したからこそ出会えた景色も。3人のアウトドア体験で得た絶景を写真で見る 写真上・右:アウトドアプロデューサー 田中 翔さん 北軽井沢・高知・熊本でキャンプ場を運営・プロデュースするほか、アウトドアイベントの企画運営も行なう。 同・中:漫画家 こいしゆうかさん 「女子キャンプ」を提唱するキャンプコーディネイター。人気テント「テンマクデザイン パンダ」を手がける。 同・左:BE-PAL編集長 沢木拓也 大学時代はワンダーフォーゲル部に所属し、年間100日以上(!)キャンプをしながら山を歩いていた。
体験する絶景、五感で味わう絶景
田中:今日はひとつだけ決めてきたことがあるんです。 こいし・沢木:? 田中:富士山の話は絶対しないぞと(笑)。 沢木:たしかに「景色が良かったキャンプ場」のアンケートを取ると富士山周辺が上位を独占します。富士山については、いわずもがなという感じですよね。 こいし:それに、絶景は、「富士山ドーン!」だけじゃないですよ。 沢木:では、以降、富士山抜きで(笑)。おふたりはキャンプ場のどんな景色が好きですか? 田中:日本には四季があるし自然も多様なので絶景ポイント、絶景キャンプ場はいくらでもあります。その中で僕がチョイスするのは、見るだけじゃない楽しさのあるところです。絶景を見ながらコーヒーを淹れて飲むのはたしかに気持ちいいです。でも、それって絵を見ているのとあまり変わらないと思うんですよね。僕は絶景の中に飛び込みたいし、絶景を体験したい。 沢木:絶景は、見るだけではもったいない? 田中:山でも川でも湖でも、絶景の中に入って遊べるところのほうが好きですね。たとえば、大好きなのは「オンネトー国設野営場」(北海道足寄町)。明け方、真っ白な靄の中をカナディアンカヌーでひとり漕ぎ出すと湖上は貸し切りで、やがて日が昇るにつれ靄が晴れてきてキャンプ場が見えてくる。本当に素敵な景色を体感できます。 こいし:私が好きなのはキャンプでしか得られない一瞬の風景。朝露、朝日・夕日のタイミング、雨に靄っている静かな森、風が吹き抜ける林……。そういった時間の経過で動く景色も絶景だと思うんです。 田中:普通、絶景というとスケールの大きい景色をイメージしちゃうけど、それだけじゃないんですよね。 こいし:見るだけじゃなくて、香り、小鳥の声、川の音、太陽のぬくもりなどを五感で味わえるのも絶景。結局、自然が豊かなキャンプ場が絶景キャンプ場ってことになるのかな。 沢木:そういった自然のディテールが心に響くか響かないか。感じ取る能力も大事になってきますね。一方で、この間泊まった「きさらづCAMP ORGANIC FIELD in みたて」(千葉県)は、東京湾アクアラインの橋のたもと近くにあって、東京から三浦半島までの夜景がすごかった。人工物だけど、これはこれで絶景だなと思いました。 こいし:「ほったらかしキャンプ場」(山梨県)とか、夜景が見えるキャンプ場も人気ですよね。 沢木:人工物が近くにあると興ざめだけど、遠くに感じられるぐらいの夜景だといいのかもしれません。