【バレー】女子日本代表帰国 古賀紗理那パリ五輪へ手応え「高い壁を越えたことは自信に」
バレーボールのネーションズリーグ(VNL)で世界大会10年ぶりのメダルとなる銀メダルを獲得した女子日本代表の古賀紗理那主将(28=NEC)が、パリ五輪へ自信を示した。24日、ファイナルラウンド(R)が行われたタイ・バンコクから羽田空港に帰国。同大会でベスト6賞を受賞した絶対エースは、12年ロンドン大会銅以来、12年ぶりの五輪メダルの期待がかかる舞台に向け「勝てるチームを作っていく」と決意を新たにした。 ◇ ◇ ◇ 「1つの高い壁を越えたことは、チームみんなの自信になった」。世界大会10年ぶりの表彰台を果たしたVNLの銀メダルを胸に輝かせ、古賀主将は充実した口ぶりでうなずいた。1カ月後に迫るパリの目標については「まだ話さないように言われているので…」とけむに巻いたが、12年ロンドン大会の銅以来のメダル奪取へ「チームのつながりは去年、一昨年よりも強くなったというのはもちろんある」。鍵を握るチーム力向上に、確かな手応えを口にした。 「小さい日本がここまで来られたのは素晴らしいこと」。23日の決勝イタリア戦。1-3で敗れ、1977年W杯バレー以来、47年ぶりの主要国際大会のタイトルは逃したが、世界ランキング1位を相手に攻めの姿勢を貫いた。セットカウント0-2で迎えた第3セット(S)。序盤から劣勢を強いられたが、古賀が強気のバックアタックを連発し、中盤に逆転。前半2セットでは20点台に乗せられなかったが、このセットは25-21で取り切った。最大6点差をつけられた第4Sも、終盤の連続得点で3点差まで迫った。決勝の舞台でも、一筋縄ではいかない日の丸の粘り強さを確かに示した。 今大会ではフルメンバーのトルコやブラジルを打ち破った。時には石川や林といった主力を交代させ、平均身長で勝る強豪を、多彩な攻撃オプションで翻弄(ほんろう)した。チーム力は着実にステップアップし、最大目標だったパリ切符は大会終了を待たずして獲得。五輪本番前に世界と渡り合えることを証明してみせた。アタック得点で全体1位の252点を記録し、ベスト6も受賞した古賀は「五輪で勝ち進むためには、どのチームも越えていかないといけない大きな壁。しっかりみんなで研究しながらチームを作っていきたい」と慢心はない。五輪前哨戦で得た勲章と課題を胸に、パリ本番でも表彰台に立つ。【勝部晃多】 ○…日本のお家芸である粘りの守備が、銀メダル獲得の下地となった。昨季、古賀とともにVリーグNECを2連覇に導いた守備職人の小島が、ベストリベロ賞を受賞。古賀はスパイクレシーブを指すディグ部門で3位、林はサーブレシーブ部門で2位となるなど、平均身長の低さを鉄壁のディフェンス力でカバーした。真鍋監督はイタリア戦後、「選手たちが本当によく頑張ってくた」と笑顔でたたえた。 ○…古賀に次ぐ209得点を挙げ、ダブルエースとしてチームをけん引した石川は、早くも五輪でのリベンジに闘志を燃やした。決勝でイタリアに敗北も「全く勝てない相手ではない。ここをどう打破していくか」と目をぎらつかせた。準決勝ブラジル戦では、パリ五輪で6大会連続の対戦が決まった因縁の相手を自らのブロックアウトで沈めた。「苦しい試合だったけど、最後1点を取り切れたのは自信になった」。自慢の強打をパリでも見せつける。