【RISE】小林愛理奈の階級を越えた挑戦は判定で敗れる
RISE 184 2024年12月15日(日)東京・後楽園ホール ▼ダブルメインイベント1 RISE QUEENフライ級(-52kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R 〇テッサ・デ・コム(オランダ/Fightteam Vlaardingen/王者) 判定3-0 ※50-48、50-46、49-46 ×小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/ミニフライ級王者/挑戦者) ※コムが初防衛に成功。 【写真】小林の右腕をミドルキックで潰すコム 小林はフルコンタクト空手出身で強烈なパンチを武器に持つ。正道会館第38回全日本空手道選手権大会2019軽量級優勝など主に関西圏の大会で多くのタイトルを獲得してきた。RISEでは奥脇奈々、平岡琴、百花、祥子JSKらを次々と撃破するも、2022年5月に3度目の対決となったRISE QUEENアトム級王者・宮﨑小雪とのタイトルマッチで敗れた。13勝(4KO)3敗1分の3敗はいずれも宮﨑に付けられたもの。 12月には女子初のオープンフィンガーグローブマッチに臨み平岡を返り討ちにすると、2023年2月にはSB日本女子アトム級王者MISAKIからダウンを奪って勝利、11月にRISE QUEENミニフライ級タイトルマッチでerika(=名前の後ろにハートマーク)をKOで破り、RISE QUEENミニフライ級王座を奪取した。2024年5月に小林愛三にOFGマッチで勝利し、10月にフライ級でビョン・ボギョンに勝利。現在破竹の8連勝中。 コムは2022年9月にEnfusionストロー級(-52kg)王座に就き、12月に初来日して小林愛三から右フックでダウンを奪って判定勝ち。2023年1月のGLORYメキシコ大会ではジュリアナ・コスナルドに判定で敗れたが、5月の再来日では小林との再戦で返り討ちにし、RISE QUEENフライ級王座に就いた。12月の3度目の来日では一階級上のRISE QUEENバンタム級王者・聖愛に判定で敗れている。2024年は5月にドイツの大会でギリシャ人選手に判定勝ちしてIFP世界ストロー級(-52kg)王座に就いた。戦績は13勝(4KO)3敗1分。 1R、コムはいつも通り細かく動きながらサウスポーで様子を見る。小林は圧をかけながらボディ狙い。左右のボディを打ち、時折左フックも打つ。終盤になるとコムもパンチとヒザを出し始めた。 2R、コムは動きながら左インローを蹴り、右フックから左ロー、ハイキック、ヒザ蹴りと攻撃を散らせて手数も増やす。小林は変わらずボディを攻めて鵜のパンチにつなぐが、テッサの技の回転が上回った。 3R、小林の強烈な左ボディが何度かヒットするが、コムは一発もらうと3~4発まとめて返すため見栄えがいい。左ミドルも的確に入れる。パンチのコンビネーションから決まるヒザもインパクトがある。 4Rも同じ展開。小林が一発の強い左ボディを決めてもコムはその3~4倍の攻撃を返してそのほとんどを小林に当てる。ヒザ蹴りのインパクトも強く、飛びヒザ蹴りも軽くヒット。必ず自分の攻撃で攻防が終わるようにするコムの上手さが光る。 5R、コムはワンキャッチからのヒザとテンカオを織り交ぜ、多彩な技を単発ではなくコンビネーションで小林に見舞う。小林はボディを強打し、左右フックに行くもコムのコンビネーションの回転力が優った。 判定は3-0でコムが初防衛に成功。最大4ポイント差をつけての圧勝となった。 コムはマイクを持つと「ここで戦えることがうれしいし、ベルトを守って私は真の王者だとはっきり言えます。いま私の姉と妹に言いました。このベルトは私のものです。誰にも渡しません」と、絶対王者宣言をした。
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