今永昇太は「セでトップの抑え級の奪三振能力が」カブスでの活躍も見立て通り…日本一DeNA“異色コーチ”と育成トリオが語る「課題解決」
チームが日本一になった中で感じる課題とは
アナリストからコーチに転身して2シーズンが経過した。一軍は3位から日本一に躍進、二軍もイースタン・リーグ優勝と最高の結果に終わったが、八木コーチはどんな手ごたえを感じていたか? 「選手のデータを評価して、実際にアプローチするところまで、コーチとしての役割をしっかりやれたかな、とも思うんですが、違う課題として、選手に対するアプローチの統一性を図っていくとか、データをそれぞれ紐づけて、ベストは難しいにしてもベターな方向へのアプローチを見つけていくことが大事だなと思っています。 2022年までは半ばアナリストという立場だったのですが、今はアナリストとコーチの間に立って、両方の立場から意見が言えるのは強みかなと思います。最終的には一軍でしっかり貢献できる選手を育てるのが目標ですが、その過程で中間層を上位層に引き上げていくことも、その下の層の選手を引き上げることも必要だと思っています」
台湾のウィンターリーグで目立った“二刀流候補”とは
そんな八木コーチが参加したのはアジアウィンターベースボールリーグ(AWB)という、台湾のプロ野球連盟中華職業棒球大連盟(CPBL)が主催するウィンターリーグだ。DeNAはAWLに4人の選手を派遣した。最終戦を前にした12月11日、話を聞いた。 まず小笠原蒼は京都翔英高から2023年、育成3位で入団した内野手である。 「オフシーズンに入ってもこうやって試合に出ていろんな経験もさせてもらっています。台湾はやはり国が違うので文化の違いを感じますが、その分、日本のありがたみを感じています。僕らからしたら相手投手も格上ですし、変化球もすごいし、でもその中でヒットが打てたのは良かったと思います。目標にしていた真っすぐを弾き返すことはできたかなと思います」 高見澤郁魅も敦賀気比高から同じく2023年、育成1位で入団した内野手だ。 「今年1年やってみて、1年間戦う体力がなかったなと実感しています。台湾は球場の形とかいろいろ違う部分もありますが、暖かいのはいいですね。ここでは僕は初球から思い切り振って、長打を増やすのを目標にしています。強く振るよりは、しっかりボールを捕まえようと思っています。台湾は初めてですが、食事が脂っこいのでちょっと参りました」 今野瑠斗は東京都市大塩尻高から2022年育成3位で入った投手だ。 「自分はストレートを主体に投げる投手なので、ストライクゾーンに強い球を投げることができるかどうかが課題でした。変化球はチェンジアップが中心なんですが、やはりこれもゾーンに投げることができるかを課題にしていました。試合ではストレートでファウルも結構とれました。チェンジアップを打たれる部分も多少あったんですけど、課題にしっかり取り組めたのは良かったと思います」 そして――台湾のスポーツメディアで話題になっていたのが、武田陸玖という“二刀流”候補の選手だ。〈つづく〉
(「酒の肴に野球の記録」広尾晃 = 文)
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