いかに行列のできる店作りをするか 芦屋のデザイン事務所社長の思い
地域の求めているニーズと、僕たちが提案できるニーズがどれだけ合致するか
エンドユーザーが何を求めているか。それは“ゆるカッコいい”だという。「カッコよすぎたら、スーツを着て行かないといけないでしょう。吉野家さんだったら、300円でご飯が食べられるから、300円持って行けばいい。そこに凝ったデザインは必要ない。マクドナルドになぜ行くか、スピードが速いから食べにいくんです。つまりはカッコよすぎず、ニーズに合わすことが大切です」とも話す。 また、同社は中国・上海にも会社を持ち、現在は中国以外にもロシア・アメリカ・ASEAN・南米等での海外出店プロデュースにも力を入れている。 上海の商業施設にオープンした味千ラーメングループのラーメン店「麺屋武蔵」でも、オープン初日から行列ができたという。すべてはリサーチ力だ。海外の人が考えるジャパニーズ感を押し出し、それが客のニーズにうまく合致したという。 「地域の求めているニーズと、僕たちが提案できるニーズがどれだけ合致するか。客単価2000円の店で高級感は必要ない。でも、2000円で得した感は必要なんです」と大西さん。統一感を出すため、グラフィックや装飾など細かい部分に至るまでデザインを考案する。そんな徹底した戦略が行列を生むのかもしれない。 (文責/フリーライター・北代靖典)