豪上院委員会、16歳未満のソーシャルメディア禁止法案を支持
Renju Jose [シドニー 27日 ロイター] - オーストラリア連邦議会上院の環境・通信立法委員会は26日公表した報告書で、16歳未満のソーシャルメディア利用を禁止する法案を支持すると表明した。だが同委員会は、ソーシャルメディアのプラットフォーム運営会社は年齢確認のためにパスポートやデジタル身分証明書などの個人情報提出を利用者に義務付けるべきではないとの見解を示した。 オーストラリア政府は、ソーシャルメディア利用の年齢制限を実施するため、生体認証や政府発行の身分証明書を含む年齢確認システムを試験的に導入する計画だ。 アルバニージー首相率いる中道左派政権は連邦議会の会期末となる28日までの法案通過を目指している。野党自由党は法案を大方支持している。 同委員会は報告書で、ソーシャルメディアのプラットフォーム運営会社は「年齢確認システムの試験運用を考慮しつつ、しかるべき段階を踏んで年齢確認の代替手法を打ち立てなければならない」と指摘。通信省は年齢確認システムの試験運用の進捗状況に関する報告書を来年9月30日までに議会へ提出しなければならないという。 無所属議員の一部は、政府が21日に提出した法案を1週間で成立させようとしていると批判している。 一方、グーグルとメタ・プラットフォームズは法案の立法化を年齢確認システムの試験運用が終了するまで延期すべきだと訴えた。中国の字節跳動(バイトダンス)が運営する短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」は、さらなる協議が必要だと主張。イーロン・マスク氏が率いる交流サイトのXは、法案は子供の人権を侵害する可能性があるとした。 法案はプラットフォーム運営会社に、年齢確認が確実に行われるよう合理的な措置を講じることを義務付け、違反した場合には最大4950万豪ドル(3200万米ドル)の罰金を科される可能性がある。