【リサーチ】 リテールメディア がさらに拡大の兆し。マーケターが3番目によく利用するチャネルに
メディアネットワーク活況の兆候
最新情報:ユナイテッド航空(United Airlines)は、航空機の座席の背面にあるスクリーンに、ターゲティング広告の表示を開始することを発表した。このプログラムはユナイテッド航空の顧客データを活用し、映画やほかの機内エンターテイメントの合間に広告を表示するものだ。同社のメディアネットワークはキネクティブメディアバイユナイテッド航空(Kinective Media by United Airlines)という名前になる予定だ。この新しい取り組みにより、マーケターは同社の航空機の座席の背面にある10万近いスクリーンを使用できるようになる。企業がメディアネットワーク業界に参入し、自社のデータと顧客ベースをマーケターの広告のために公開するというトレンドにならったものだ。高級百貨店チェーンのサックスフィフスアベニュー(Sak’s Fifth Avenue)、旅行会社のエクスペディア(Expedia)、国立銀行のJPモルガンチェース(JP Morgan Chase)など、ほかの企業もこの流れに参加している。 質問:メディアネットワーク業界に何が起きているのか? マーケティングチャネルはどのように進化しているのか? 企業はなぜ自社独自のネットワークを構築しようとしているのか? 調査により得られた回答: 出典:米モダンリテールプラスリサーチ、2024年および2023年 質問:御社または御社のクライアントは、次に示すマーケティングチャネルのどれを現在使用しているか? 当てはまるものをすべて回答のこと 米DIGIDAYのCMOストラテジー(CMO Strategies)シリーズの2024年に行われた調査結果によると、リテールメディアネットワーク(RMN)は、マーケターが3番目に多く使用しているマーケティングチャネルだ。これは、昨年のレポートでリテールメディアがマーケティングチャネルにおいて占めていたのと同じ順位だ。一方で、リテールメディアは2023年から2024年までのあいだに導入企業が増えていることもたしかだ。回答者のうち、自社が昨年にリテールメディアを使用したと回答したのは40%だったのに対して、今年については51%がそう回答している。昨年は多くの小売業者がリテールメディアへの投資を増やし、はじめてリテールメディアに参入した企業も増えたことから、このチャネルの普及は急増した。 「問題は、リテールメディアネットワークが急増したことと、非常に多くの選択肢があり、それらの選択肢はそれぞれ能力や成熟度が大きく異なっているということだ」と、家庭用品メーカーのジョージアパシフィック(Georgia-Pacific)でCPG(消費者向けパッケージ商品)および消費者エクスペリエンス担当シニアバイスプレジデントを務めるローラ・ネバッシュ氏は語る。「どこに投資すべきか、その決定をどのように行うか、長期的なロードマップについてどのように考えるかを理解し、導くという複雑な課題に取り組んでいる」。 リテールメディアがほかのチャネルと比較して明らかに優位なのは、コマース用に作られたサイトを使って購入データにアクセスできることだ。データのプライバシー保護法が厳格化しつつあり、GoogleがサードパーティーCookieの廃止に一歩ずつ近づいている現在、顧客の購入データを保持するネットワークにアクセスできることは、将来の魅力的な代替選択肢となる。 [原文:Research Preview: Expanding retail media networks] Li Lu(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子) Illustration by Ivy Liu
編集部