話題の「スズキ・フロンクス」を徹底解剖! ライバルにはないアドバンテージを探る
都市部のファミリー層ならこれ一択?
こうしたライバルに対するフロンクスのアドバンテージといえば、まず挙げられるのがパッケージでしょう。全長4m未満で、最小回転半径は地味にスゴイ4.8m! おかげで取り回しが非常にしやすい。それに加え、都市部のユーザーにとっては1550mmという全高にも大きな意味があります。そう、(ミニバンやSUVなどの背の高いクルマに対応していない、一般的な)機械式立体駐車場が使えるのですから。 自宅の駐車場に制約がある人はもちろん、世のなかには背の高いクルマが止められない機械式立体駐車場は少なくありません。さらに昨今は、背の高いクルマが増えすぎた影響で、街に出かけても「ハイルーフ車用駐車場は満車だけど、全高1550mmまでのクルマ用のスペースなら空きがある」なんていう状況も意外に多かったりします。そして、先に挙げたライバルのなかで全高を1550mmに抑えているのは、フロンクスだけ! なにが言いたいかというと、アーバン(懐かしい表現を使っちゃいました)なユーザーなら、フロンクスには大きなメリットがあるということです。郊外に住んでいる人には、あんまり関係ないですけどね。 またパッケージングでいえば、後席が広いのもフロンクスの自慢。ロッキー/ライズやWR-V&ヴェゼルも広いけれど、フロンクスはそうしたライバルも超えたかな? と思わせるほどのゆとりがあって、ファミリーユースに向いています。ちなみにヤリス クロスはあまり広くなく、後席の広さレースからは脱落……ですね。 いっぽうで、荷室はどうか? フロンクスの290リッターに対し、ロッキー/ライズが369リッター(デッキボード下も含むと449リッター)、ヤリス クロスは390リッター。ヴェゼルは404リッターで、WR-Vは458リッターもある。ここはライバルにリードを許すところで、荷物が増えがちなアウトドアレジャーなどを趣味にしている人なら、“フロンクスじゃないやつ”を選んだほうがいいかもしれません。ただフロンクスの名誉のために言っておくと、このクルマでも機内持ち込みサイズのキャリーケースは4つ積めるわけで、普段使いで考えたら十分すぎる荷室なんですけどね。