九重親方「小5で高校生を」「やくざからスカウト」SNSに流れる<武勇伝>の真相とは…合氣道家・藤平信一がハラスメントと厳しさの根本的違いを問う
◆ツッパリ大関と呼ばれた、九重親方 九重親方 :「相撲界が他のプロスポーツと根本的に違うのは『**部屋』という制度に表れています。チームではなく部屋ですから、稽古場から生活の場まで、すべてにおいて厳しいんです。 しかも、師匠は九重(元横綱・千代の富士)ですから。あの顔を思い出してみてくださいよ。あの目でグッと睨まれたら、普通の人なら縮み上がるかもしれません。その師匠の目が、部屋には常にあるわけですから、それは厳しいに決まっています。 ご存じの方もいると思いますが、現役時代、俺は『ツッパリ大関』と呼ばれていました。相撲のスタイルが突き相撲だったためですが、入門前に“やんちゃ”をしていたことも影響しているのでしょう。 SNSにはいろいろな“武勇伝”が出てくると、弟子から聞きました。 『小学校5年で体重が100キロあり、家の前にタバコを捨てた高校生に怒り、投げ飛ばした』とか『中学では街の不良を片っ端からぶっ飛ばし“大分の龍二”という名が九州全域に轟(とどろ)いていた』とか『中学卒業後はとび職に就き、九州一の暴走族を率いて、やくざからもスカウトされた』などと書かれているそうですが、まあ、おおむね本当のことです。」(以上、九重親方)
◆柵のない状態でライオンと遭遇したような恐ろしさ 九重親方の話は続きます。 九重親方:「かなりやばいやつも相手にしていたし、修羅場も潜り抜けてきたけど、師匠に会った瞬間『あ、この人には殺される』と思いましたね。眼だけで殺されそう(笑)。いままで見てきた“その筋”の人たちとはまったく違うオーラがあったんです。 たとえるなら、柵のない状態でライオンと遭遇したような。師匠は当時、現役を引退して1年ほどでしたから、体もごつくて、目つきも鋭い。『やっぱりすごいな、千代の富士は』と圧倒されましたね。 で、俺の目を見て『あんちゃん、何しに来たの?』と聞くんです。『相撲界に入りたいです』と言うと、『どうして?』と聞かれ『親孝行がしたい』と答えました。その瞬間、眉間のしわがスッとゆるんで、ニコーッと笑う。 『この子は頑張れそうだね』と言われたその言葉の響きが優しくて、もう一瞬で心をつかまれました。 でも、次に出た言葉が『まずは、その頭をどうにかして来い!』でした。俺的には不良の礼儀で、金髪に剃り込みのリーゼントをバシッと決めて、挨拶をしたつもりだったのですが、まさかのNG。なので、いったん大分に帰って頭を丸め、翌日にもう一度、挨拶に出向いたんです。すると、師匠は『剃ることはないだろ!』と叱りながら、うれしそうな顔をしてましたね。 その瞬間、『よし! この人の下で、俺は生まれ変わろう。いままでの自分は死んだ。これからは新しい自分になるんだ』と、肚(はら)が決まったんです」(以上、九重親方)
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