九重親方「小5で高校生を」「やくざからスカウト」SNSに流れる<武勇伝>の真相とは…合氣道家・藤平信一がハラスメントと厳しさの根本的違いを問う
◆それはハラスメントか? 愛なのか? 九重親方の言う「眼だけで殺されそう」というのは、とんでもない厳しさですよね。 「頭をどうにかして来い」と言われて、頭を剃って来るのも、いまこれを学校でやったら、大問題になりそうです。でも、九重さんの話からは、ハラスメントのにおいは微塵も感じられません。 なぜか? おそらく「この人の下で、俺は生まれ変わるんだ」という言葉が示す通り、主体が自分にあるからだと思います。 ところが、暴力や暴言は、これとは正反対です。主体が指導する側にあるのです。体や精神を痛めつけることで、相手を自分の意のままにコントロールしようとする。つまり、主体は指導者にあると言えます。 この“主体性がどこにあるか? ”ということは、「厳しさは悪か?」を検証するうえで、とても重要なポイントになると思うのです。 見出しにある「ハラスメントか? 愛なのか?」への答えは、簡単に言えるものではありません。 ですが、やはり厳しさの中に「相手をコントロールしよう」という意図が隠れていれば、受け手は「パワハラだ」と感じるし、「相手を成長させよう」という想いがあり、それが伝わるなら「愛だ」と感じるのではないか、と思うのです。 ※本稿は『活の入れ方』(幻冬舎)の一部を再編集したものです
藤平信一
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