【陸上】世界のファイナル進出の多田修平「ちゃんと戦えなかった悔しさのほうが大きい」/世界室内
3月1日から3日に英国・グラスゴーで行われた世界室内選手権に出場した日本代表が帰国し、入賞を果たした多田修平(住友電工)と田中希実(New Balance)の2人が取材に応じた。 世界室内選手権のメダリストと日本人成績をチェック! 男子60mで日本人初のファイナル進出を果たして7位となった多田。予選では6秒52室内日本新もマークした。 「室内日本新とファイナルに残ることを目指していたので素直にうれしいです」と語るも、「世界とちゃんと戦えなかった悔しさのほうが強いです」とも。 予選は「リラックスできて、スタートもうまくいきら中盤からの流れもスムーズで理想的でした」。プラスで拾われた準決勝は有力選手がそろって力んだというが、ラウンド突破できたことは「自信になります」。 ただ、決勝前のスタート練習で「左脚を少し肉離れしてしまって、スタートも怖くてあまり出られず、限界でした。ずっとつった状態」とトップスピードまで上げられなかった。 現在は歩行も問題なく、まずは屋外シーズンに向けて状態を整えていく。 世界のファイナルで肩を並べたことで、「本番の強さや後半の走りで差があると感じました」。それでも、持ち味のスタートダッシュだけではなく、「しっかり押していくスタート」で中盤から後半でも失速を抑える走りが定着しつつあり、「9秒台への手応えがあります」と笑顔を見せる。 東京五輪イヤーに日本選手権を初優勝し、記録も10秒01をマーク。五輪にも出場したが、その後はモチベーション維持やケガにも苦しみ、一時はレースから離れた。 「悔しい経験があったから今のやる気や走りにつながっています。すべての経験が今に生きています」 脚の状態次第だが、日本グランプリシリーズのいずれかでシーズンインし、「9秒台を出してパリ五輪の参加標準記録(10秒00)を突破したい」と意気込む。
月陸編集部