「ルッキズムに支配されまくってる」女子高生の間で美容整形が常態化、“整形依存症”の恐れも…現状を美容整形外科医にきいた
美容整形は見た目の改善だけではない
実際に女子高生の美容整形はどれほどの件数なのか。またその実情とはどんなものか。共立美容外科 久次米秋人理事長に話を聞いた。 ――近年、女子高生など10代の間で美容整形は増えていますか? 「結論から申し上げますと、増加しております。美容整形の内容としましては、一重まぶたを二重まぶたにする『二重埋没(共立式P-PL挙筋法)』のご相談が多いです。 当院にご来院してくださるきっかけを患者様に聞いてみると、“InstagramやTikTokで二重にできることを知った”“人気のインフルエンサーが美容整形をしていたから”と近年のSNS普及により、美容整形が身近なものになったことが要因の1つだと考えられます。 また以前、当院で美容整形に関する意識調査を15歳~25歳の男女150名に行なった際に、整形をカミングアウトしているという割合は77.8%というデータもあります。 身の回りで整形をしている人がいると回答した人は男性が5人に1人で、女性が3人に1人という結果でした。 共立美容外科は開院36年を迎え、長い期間、美容整形を通して社会と向き合っていますが、十数年前は美容整形をしていることを隠すような風潮がありました。 今では比較的オープンな風潮になっていると感じます」 ――10代の美容整形にリスクはありますか? 「リスクについては、女子高生に限らず美容整形を受ける全ての人にあると言えます。 そのリスクを理解した上で、施術を受けるかどうか判断できる環境が必要です。 共立美容外科では開院以来、カウンセラーは必ず資格を持つ“医師”がカウンセリングを担当し、美容整形によるリスクについて説明します。 リスクを踏まえた上で、納得してくださる方は施術を行いますが、不安がある方や悩まれている方については無理に施術は行わず、一度自宅に帰って考えてもらうように促したりもしています。 また、女子高生や未成年の方のカウンセリングは必ず保護者の方に同伴していただくよう徹底しています」 増加する10代の美容整形。SNSの普及により、女子高生たちは美に対する意識もより高く、より鋭くなっているのかもしれない。 そんな彼女たちがルッキズムの激しい現代で美容整形という手段を選ぶことも想像にたやすい。 一方で、美容整形には、コンプレックスを脱する以外のメリットもあると理事長は話す。 「例えば、女子高生の方で二重埋没(共立式P-PL挙筋法)を受けられたことで一重まぶたが二重まぶたに変化しただけでなく、幼い頃から悩んでいた“逆さまつげ”も同時に治すことができた、と喜ばれていたケースがあります。 逆さまつげとは、生まれつきまつげが下方向に向いている状態のことで、下を向いているまつげが目に入ると痛みや炎症を起こしてしまうことがあります。 美容整形は見た目の改善だけでなく、生活への支障も改善することができる場合もあります」 コンプレックスから抜け出そうと女子高生たちが美容整形を選択するのも昨今では珍しくないのかもしれない。それは実際の数字としても表れている。また、美容整形はコンプレックスの解消だけでなく、日常生活の改善につながる場合もある。 ルッキズムが蔓延する中でも、誤った情報や過度なSNSからのプレッシャーに惑わされずに、正しい選択をすることが今の世代には求められているだろう。 PROFILE 久次米秋人(くじめ・あきひと)●共立美容外科理事長。1989年に共立美容外科を創立。「一人ひとりの個性と悩みを尊重し、希望を叶えるために、最良の美容医療を提供する」ことをミッションに掲げ、全国に26院を展開。公式HP:https://www.kyoritsu-biyo.com/ 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
集英社オンライン編集部ニュース班