搭乗の際、客室OKでも預け入れ荷物の中に「入れてはいけない」電子機器
冬の休暇シーズンに突入し、航空会社などは搭乗する人に火災の危険性があることからバッテリー駆動のデジタルガジェットを預け入れ荷物に入れないよう注意喚起している。 家族や友人に会おうと飛行機で移動する人々は、預ける荷物にデジタルガジェットを入れる傾向がある。便の座席がほぼ埋まって荷物の機内持ち込みの制限が厳しい場合は特にそうだ。だが、英国航空操縦士協会(BALPA)は、過去にバッテリー関連の火災が死亡事故につながっていることから、荷物に入れる際は安全性を優先するよう乗客に呼びかけている。 携帯電話やノートパソコン、電子タバコやそのアクセサリー、カメラ、スクーター、玩具など、リチウムイオンバッテリーを搭載しているものは数多くあるが、粗悪品だったり破損していたりすると発火する可能性があり、それらが貨物室内にある場合、制御できない火災につながる可能性がある。 BALPAの航空安全の責任者であるジョージ・ウェイツは、バッテリーが原因の事故があるとすれば「火災やその後に発生するさまざまなリスクが伴う貨物室より、客室で起きた方がいい」と言う。というのも「客室であれば煙が見え、対処が容易」だからだ。 ウェイツによると、客室乗務員は客室での火災に対処する訓練を受けており、家電製品の発火を食い止めるための特別な装備もあるという。「携帯電話やノートパソコンから煙が出ている場合、それらを入れる袋がある」とウェイツ。「密閉して酸素を遮断するため、万が一発火しても燃え続けることはない」と説明する。 ウェイツはまた、満席の飛行機で機内持ち込み荷物を預けるよう求められた場合、乗客と客室乗務員や地上係員がしっかりやり取りすることが不可欠だと指摘。乗客は「荷物の中に入っている機器について明示する」必要があり、航空会社の職員も「貨物室に入れるべきでないものを不注意で入れることがないよう」教育される必要があるという。 ■機内でのバッテリー火災 機内でのバッテリー関連の火災の発生は今に始まったことではない。 2010年には米物流大手UPSの貨物機で死亡事故が発生した。数万個のリチウム電池を積んだ貨物のパレットから出火し、貨物室内で火災が発生した。最終的にパイロットは対応できなくなり、また機体は制御不能に陥り、ドバイに墜落した。