「こんなカッコいい職業だったんだ」 子役出身・南出凌嘉(18)が “役者”開眼した生田斗真との出会い
●観客の感情を動かす芝居を意識した最新作
――最新出演作『サユリ』では引っ越し先で家族が次々に不幸に見舞われる主人公・神木則雄を演じられています。本作への出演の経緯は? オーディションでした。最初に原作を読ませていただいて、その後にオーディション台本を読み込んだうえで、「僕はこういう演技が得意です」ということもアピールしました。 役が決まってからは、どこか、のほほんとしたところや、家族の中で自分の役割を分かっているところなど僕と則雄が似ているところ、共感できるところがいくつかあると思ったんです。 だから、役作りというよりは「どういうふうに、作品の中で生きるのがいいのかな?」ということについて、何度か監督とお話させてもらいました。 ――ともにサユリに立ち向かう祖母役の根岸季衣さんとの現場エピソードを教えてください。 根岸さんはカメラが回っていないときは、とても優しく、楽しくお喋りさせてもらっていたのですが、カメラが回り始めた瞬間に、ヨボヨボなおばあちゃんになったり、テンションが高いおばあちゃんへと豹変されるので、現場ではずっと引っ張ってもらいました。 大先輩とのお芝居は、とても刺激的で新鮮な体験でした。僕の感情が激しくなったときや、泣くシーンを撮った後に、「よくやった。よくやった」と優しく声をかけてくれたときの安心感や、オールアップしたときに握手してもらったときの「これで、もうおばあちゃんと会えないんだ」という寂しさもよく覚えています。 ――今回は、どんなことを学んだ現場だったと思いますか? 役としての見られ方をいちばん学びました。例えば「お客さんの感情をどのように動かすか?」ということです。今回はホラー映画なので、みなさんにたくさん怖がってもらいたいですし、可哀そうな役柄だからといって、同情させるだけではいけない。みなさんを置き去りにせず、同じ気持ちになってもらうことを心がけて演じていました。だから、今までとは違う南出が観られると思いますし、則雄と一緒に怖がってほしいと思います。