【闘病】シェーグレン症候群を発症して10年 近年は「毎年入院するように」
闘病者のりんさん(仮称)は、2009年にシェーグレン症候群と診断を受け、合併症とも闘いながら日々過ごしています。シェーグレン症候群は国内に約7万人の患者がいるとされる難病の1つで、現代の医療でも根本的な治療法は発見できていません。りんさんのシェーグレン症候群を患った経緯を通して、病気についての理解を深めていきましょう。そして、同じ病で苦しむ人が身近にいる方は、どのような手助けをすればよいのかというヒントにしてください。 【イラスト解説】「シェーグレン症候群」を発症すると現れる症状・発症しやすい人の特徴 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年4月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
思いもよらない病名と症例数の少なさという困難に直面
編集部: 初めに「シェーグレン症候群」について教えていただけますか? りんさん: シェーグレン症候群は膠原病の一種で、ドライアイ、ドライマウスなどの乾燥症状が主な症状と言われています。40~60代の女性に多いとされる疾患で、私が発症したのも好発年齢でした。私の場合、診断直後はドライアイもドライマウスもなかったのですが、実は唾液量と涙の量が圧倒的に少なかったことがわかりました。シェーグレン症候群は症状が十人十色なので一概には言えませんが、私は手が何日も痺れるので「おかしいな」と思ったことから、近医を受診しました。 編集部: 診断までの経緯も教えていただけますか? りんさん: 近医では、いつもより顔が赤かったことで「膠原病ではないか」と目星をつけられ、詳しい検査を行いました。ただ、当初は「膠原病の心配はないでしょう」と言われたので安心して検査結果を聞きに行ったところ、「血液検査で異常値が出ている」と指摘されました。すぐに紹介状を持って、大学病院の膠原病内科を受診し、精密検査を行ってシェーグレン症候群と診断されたという経緯です。 編集部: 大学病院ではどのような検査を行ったのでしょうか? りんさん: 確定診断のために、涙の量を測るシルマーテスト、唾液腺疾患のMRI、唾液腺生検、皮膚生検などを行いました。 編集部: シェーグレン症候群と告知されたときの心境はどのようなものだったでしょうか? りんさん: 「いつも元気だね」と言われてきた人生でしたので、まさか自分が難病になるなんて考えもしませんでした。友達や周りの方が心配してくれましたが、家族には心配をかけるので言いませんでした。 編集部: シェーグレン症候群の治療はどのように進めると説明されたのでしょうか? りんさん: シェーグレン症候群は国指定の難病で、現時点では根本的な治療法はありません。大学病院でも検査と人工涙液、人工唾液の処方、ステロイド薬や漢方薬などの投薬が主流でした。また、私が住む地域では圧倒的に症例が少なかったため、主治医も手探りのような感じを受けました。私がシェーグレン症候群の診断を受けたときは、まだ厚生労働省が東京都しか特定医療費(指定難病)受給者証の認可をしておらず、治療費用は毎回1万円以上を超えて大きな負担でした。