<米大統領選>“ブッシュ家の最高傑作”ジェブ氏は共和党で勝ち残れるのか?
アメリカの大統領選挙にジョージ・W・ブッシュ前大統領の弟、ジェブ・ブッシュが出馬意欲をみせています。ジェブ・ブッシュとはどんな人物で政治家としてのこれまでの経歴はどんなものでしょうか。また、実際に共和党候補を選ぶ予備選挙を勝ち抜くことができるような人物なのでしょうか。 【図表】米大統領選が実質スタート なぜこんなに長い選挙を行うのか
元大統領である「父」の影響
まだ、「積極的に検討している」という段階で正式な出馬表明前ですが、ジェブ・ブッシュはすでに出馬をにらんだ動きを昨年末からみせています。 ジェブは大統領候補として十分すぎるほどの政治経歴を持っています。父・ジョージ・H・W・ブッシュの次男として1953年に生まれ、下院議員、共和党全国委員長、国連大使、中華人民共和国への特命全権公使、CIA長官と数年ごとに政治家としての地位を華々しくステップアップしていく父の姿を見ながら、ジェブは物心つくころから青春時代までを過ごします。 当然ながら、ジェブは若いころから政治に強い興味を持っていきます。ジェブは大学卒業後、銀行で働いていましたが、1980年にはついに大統領選挙に出馬した父のスタッフとして働きます。同年の共和党予備選ではレーガンに屈しましたが、父はそのレーガンの副大統領候補に指名されます。同年秋の大統領選挙では父はレーガンとともに選挙戦を行い、現職のカーター大統領を破ります。 こうして副大統領になった、憧れの父の姿を見ながら、ジェブは自分自身も政治の世界を目指すようになります。フロリダ州に移り住み、州の共和党内での基盤を固めていきます。1987年にはジェブはフロリダ州の商務長官に就任し、翌88年には大統領選挙で勝利した父の選挙戦に加わったほか、自分でも1994年にはフロリダ州知事に出馬します。この選挙では、現職候補に惜敗しますが、4年後には知事に当選しました。 当選後の8年間、ジェブ・ブッシュはフロリダ州知事として、財政健全化や教育改革、州の貿易促進などに成功し、高い人気を誇ってきました。特に、共和党の中でも穏健派として全米に知られるようになりました。また、人口が急増するヒスパニック系からの支持も厚いことで有名です。というのも、大学時代の専攻はラテンアメリカ研究であり、メキシコとの接点も強いほか、妻はメキシコ系であり、ジェブ自身もスペイン語が堪能です。ジェブが学生時代に交換留学で滞在していたメキシコで出会ったのが二人のなれそめであり、国際派としても知られています。