【コラム】AIが人類を滅ぼす日!?…イギリスの「リーダーシップ教育」とは【ロンドン子連れ支局長つれづれ日記】
■イギリス学校の“アメとムチ” 理不尽さを体験することも……
「リーダーシップ」というのはイギリスの学校で教育について語る際、よく耳にする言葉だ。といっても、人の上に立つには…といった帝王教育を施すわけではない。日本風に言えば「1人はみんなのために」という「公の概念」をたたきこむこと、と言えばいいだろうか。
例えば、寄宿学校であるボーディングスクールには「ハウス」という単位がある。息子の学校の場合はハウスが東・西・南・北に分かれており、ハウス対抗でさまざまなことを競いあう。 映画「ハリー・ポッター」でもおなじみの「ハウスポイント」制度では、ハウスのメンバー1人が何か良いことをしたら、ハウス全体がポイントをもらえる。例えば、人を喜ばせるようなことをした場合は「コメンデーション」で5スター、授業で頑張った時に表彰される「ディスティンクション」をもらうと5スター…という具合である。 ちなみに、総合点で自分が所属するハウスが勝つとチョコレート菓子の「キットカット」がもらえる。学期末の総合点で勝つと、スペシャルパフェ付きの豪華なディナーが供されるとあって、みんな真剣に競い合っているという。 だが一方で、まさに“アメとムチ”、罰則も厳しい。息子が先週もらった「Dmail(ディーメール)」という罰は、先生が前日に持ち物を説明したのに鉛筆を忘れた…ということでマイナス3スター。今週科された「コンダクトマーク」という罰は、マイナス5スターだった。 なんでも、ボードゲームをやっていた際に友達がズルをしたので、それを見ていた別の友達が「What are you doing?(何をしてるんだ?)」と責めるような大声を出したところ、それが息子のものと勘違いされたのだという。他の子が「今のは彼じゃありません!」と言明してくれたらしいのだが、先生は裁定を覆さなかったとのこと。息子は「冤罪だ!」と怒っているが、そういう理不尽さを身をもって知ることも、大切な社会勉強かもしれない。