住宅施工現場でロボット活躍へ 積水ハウスが試作機公開
人間とロボットが共生する現場へ
記者もアシストスーツを試着した。装着完了。ガスシリンダーを作動させない状態で重さ2キロの工具を持ち上げると、けっこう重い。上げ下げするだけで、なかなかのしんどさだ。 スイッチオン。工具を握って腕を持ち上げようとした瞬間、シューッと腕ごと上へ。見えない力で引っ張られた感覚だ。上向き姿勢のまま左右前後に腕を動かすことができる。リラックス感があり、疲れない。試着体験を終え、もう一度工具を持ち上げようとすると、ぐっと重量を増したダンベルのように感じられた。 アシストスーツは日本人に合うサイズに修正して防水加工を施し、今年12月に施工現場へ導入予定。ロボットはさらに精度向上の改良を加えて、2020年の実用化を目指す。協力工事店への提供価格や導入数などは開発途上にあり予測がつかないため、現時点では公表していない。一方で、アシストスーツを試着した技術者から「2、3日貸してほしい」という声が聞かれ、現場で導入が待たれているという手ごたえをつかんでいるようだ。 住宅メーカーは住まいづくりの伝統的技法を見直し、イノベーションを積み重ねてきた。施工現場へのロボット導入はどんな意味合いを秘めているのか。積水ハウス施工担当者は「5年もしないうちにロボット関連のいろんな新技術が導入されるだろう。人間とロボットが共生し、ロボット導入で得られる余暇を、人間の成長の時間にできる職場環境を醸成したい」と意気込む。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)